お香の老舗「日本香堂」と、絶大な人気を誇る日本酒「冩樂(しゃらく)」の蔵元「宮泉銘醸」が、前代未聞のコラボレーションを実現。まるでフレグランスのように時間と共に香りが移ろう日本酒『暁霞-AKIGASUMI-』が登場した。香りのプロと酒造りの匠が挑んだ、新しい日本酒の世界とは。

"飲むフレグランス"? 3種の酵母が奏でる香りの変化

『暁霞-AKIGASUMI-』最大の魅力は、そのドラマティックな香りの変化にある。グラスに注いだ瞬間の「トップノート」、口に含んだ時の「ミドルノート」、そして飲み干した後の余韻「ラストノート」まで、まるで香水のように香りが移ろう。

この複雑な香りを実現するため、通常は1種類ずつで仕込む日本酒造りの常識を覆し、発酵スピードが異なる3種類の酵母(F7-01、1801、煌酵母)を一つのタンクで同時に発酵させるという、極めて挑戦的な手法を採用した。

実際に口に含めば、フルーティーで飲みやすい。メロンのような香りが漂ったかと思えば、温度帯や器(形状・素材)によっても香りが異なる。

福島の米と匠の技が織りなす、透明感のある味わい

原料米には、柔らかな旨味が特徴の福島県産米「福乃香」と、スッキリとしたキレを生む「五百万石」を使用したという。3種の酵母が織りなす、メロンや青リンゴのような爽やかな香り、バナナのような甘い香りが複雑に重なり合い、透明感のある旨味と心地よい余韻を生み出す。

上品で奥ゆかしい香りの立ち上がりで、お刺身から揚げ物、肉・魚料理まで幅広く寄り添い、食中酒として飲むことでその真価を発揮する。

蔵元の想い「香りも味も記憶に残る一本に」

共同開発した宮泉銘醸は、「これまで私たちが調合した事のない比率で酵母を掛け合わせました。飲んで頂く方々にとって香りも味も記憶に残るような日本酒を醸造することができました」とコメント。日本酒では味からのアプローチが基本だが、今回は香りからアプローチするという日本酒ではほぼやらない方法を採用した。

商品名の「暁霞」は、春の夜明けに山々にかかる霞や、色とりどりの雲が重なり合う幻想的な情景から命名。その世界観を、味と香りで表現した一本となっている。

商品情報・販売について

【商品名】暁霞 -AKIGASUMI- (一回火入れ)
【分類】純米吟醸酒
【容量・価格】720ml 6,600円(税込)
【数量】300本限定(1人2本まで)
【販売場所】

銀座らん月 公式オンラインショップ
https://rangetsu.shop-pro.jp/

飲食店「銀座らん月」「唎き酒処 酒の穴」
※上記飲食店では、1合1,650円(税込)でも提供する。

『暁霞』は、450年の歴史を持つ日本香堂が「香りと旅する」という新理念のもと立ち上げたプロジェクトブランド。同名で清らかな甘みを持つ沈香を使った高級お香も展開しており、今回の日本酒は、その世界観を味覚と嗅覚で表現した意欲作と言える。

記事:一橋正浩

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