「21年前の調査と比べて、完全型ED(勃起障害)が2倍以上に増加している」

そんな衝撃レポートが公開された。調査したのは、ED治療専門クリニック浜松町第一クリニック(竹越昭彦院長)。

調査は、全国の20~79歳(5歳刻み)男性、合計2000名を対象に実施。調査方法はインターネット集計、集計期間は2019年11月18~21日。とにかくまず、その結果をチェック!

ED(勃起障害)有病者数(推計)を21年前と比較、完全型のED有病者数は2倍以上に増加

今回の調査では、軽度型EDが約1,238万人、中等度型EDが約660万人、完全EDが約644万人という推計結果に。

中等度型以上は計約1,304万人を数え、1998年の調査と比べて約174万人も増加。特に完全型EDは1998年の約260万人に比べ、2倍以上に増加。

この結果の背景には人口の高齢化もあるが、EDは高齢者だけの問題ではない。また年齢別での調査では今回20代も調査を実施。20代の中等度型以上は
14.6%、30代では13.5%という結果になり、若年層(20~30歳代)の7人に1人が深刻なEDの悩みを抱えていることがわかった。

現代人が考えるEDの原因・要因の上位は、加齢、精神的ストレス、飲酒

これだけEDが増加している大きな原因は、1位の「加齢」62.5%に続き、2位には「精神的ストレス」がランクイン。

昨今話題の若者のセックス離れの原因は、恋愛に対する姿勢だけでなく、精神的ストレスからくるEDによるところも大きいかも。

また3位には「飲酒」がランクイン。EDには、糖尿病や高血圧症といった生活習慣病も深く関わっているといわれている。

EDを避けるためには、酒の飲み過ぎに限らず、アンバランスな食事、運動不足、喫煙、休息不足などにも注意する必要があるといえる。

EDの治療・相談をしたことがあるのは、成人男性のうち7.6%

また今回の調査では、EDに悩む人の増加だけでなく、そういった人の医療機関の受診率の低さも明らかに。

中等度以上のED患者のうち、実際に医療機関に足を運んだことがある人は594人中43人。わずか7.6%、14人に1人という結果に。

また治療薬の服用については、中等度型以上のED患者のうち「経験あり」が14.5%。そのうち29.1%が個人輸入、10.5%が友人・知人づてと、医療機関を通さずに薬を入手しているとも。

EDは男性にとってセンシティブな問題であり、プライドや恥ずかしさから通院を避けてしまいがち。セックスレス問題、さらには少子化問題の解決の糸口は、男性のED治療にあるのかも。

40代以上の過半数が「バイアグラ(ED治療薬)は心臓に悪い」と回答

そして男性がED治療に積極的になれない原因のひとつには、治療薬に対する信頼度の低さもある。

今回の調査では、もっともメジャーなED治療薬といえるバイアグラに対し、過半数が「心臓に悪そう」と回答。確かにバイアグラはもともと狭心症のために開発された薬で、誤解を持たれてしまう可能性があるが、その作用は悪影響とは異なる。

バイアグラが他の薬に比べ特段に悪影響を与えるという事実はないという。

50歳以上の中等度・完全型EDに悩む人ほど早漏を自覚、適正時間も短いと回答

今回はさらに、EDと早漏の関係性も調査。その結果、EDでない人に比べ、中等度型以上のED患者のほうが、自身を早漏だと感じている割合が高いことがわかった。

とくに50代以上は、その差が歴然。50代以上の中等度型以上のEDの人は、EDでない人に比べ、実に2.5倍以上も早漏を自覚しているという結果に。

また「標準と思う性行為の長さ」という質問に対しても、50代以上はその割合に差が見られた。

たとえば、標準と思う性行為の長さを「1分」と回答した50代以上の男性は、EDではない人が1.6%に対して、中等度型以上のEDの人が5.3%。「3分」だとEDではない人が4.1%に対して、中等度型以上のEDの方が8.0%に。

この調査結果には2つの原因が考えられる。1つは「中折れしないように」という意識の問題。ED患者の場合はつい腰の動きが速くなったりイキみがちになり、早漏につながる可能性がある。

もう1つは「陰茎の硬さ」。硬く勃起していない陰茎は物理的な刺激を多く受けるため、早漏ぎみとなってしまう。

医学的にEDと早漏の因果関係は明らかになってないが、今回の調査の結果を見ても関係性があるのは間違いない。

つまりEDを改善することは、早漏の解消にもつながる可能性があると―――。

調査結果サマリー
◆ ED有病者数(推計)を21年前と比較! 完全型のED有病者数は2倍以上に増加
◆ 20代の14.6%、30代の13.5%が中等度型以上のED! 若年層の7人に1人が深刻なEDの悩みを抱えている
◆ 高齢化だけじゃない! 精神的ストレスや生活習慣がEDの大きな原因に
◆ ED有病者の受診率はわずか7.6% ! ED治療薬服用者の約40%が個人輸入や知人から薬を入手
◆ バイアグラは危険な薬!? 40代以上の過半数が「害がありそう」と回答
◆ EDと早漏の因果関係は? 50代以上のED患者は自身を早漏と感じやすい傾向に

監修:浜松町第一クリニック竹越昭彦院長

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