「これまでの住まいづくりのように、つくった箱に人を住まわすのではなくて、オーナーが理想とする居住空間をつくっていくのが、注文住宅デザイナーの仕事。オーナーとデザイナーの想いが重なっていくと、住む人が想像していた以上に長い間、住心地よさを感じて暮らせる」
そう語るのは、世界が認めた注文住宅デザイナーのひとり―――山田英彰。
ネバタ州立大学を卒業し、ポラテック設計室に所属するデザイナーで、注文住宅ブランド「ポウハウス」で手がけた「I House」(アイ ハウス)が、アメリカ有数のデザインアワード「INTERNATIONAL DESIGN AWARDS」建築部門2020年度で、日本作品で唯一の金賞を受賞した。
山田が手がけた住宅が海外2つのデザインアワードで受賞
また、彼が手がけた「Blending(ブレンディング)」と「和美の別邸(わびのべってい)」が、『Muse Design Awards』の建築カテゴリーで「Silver Prize(シルバー プライズ)」、『DNA Paris Design Awards 2021』の建築部門の住宅カテゴリーにて「Honorable Mention(佳作)」という、海外の2つのデザインアワードで受賞した。
そんな新進気鋭デザイナーと、ポラスグループの高い技術力、そしてオーナーのイマジネーションでつくりあげた注文住宅として注目を集める物件のひとつが……。
千葉県香取郡「和美の別邸」
「和美の別邸」は、成田空港からクルマで30分ほどの千葉県香取郡にある、広大な緑に囲まれた邸宅。
医療関係の企業を営むオーナーの家族が「親族が保有する千葉の古民家を活用したい」という想いでポウハウス山田英彰にオーダーして完成させた“別邸”。
オーナーはまず、注文住宅各社サイトなどをチェックし、デザイナーの感性や、ポラスグループの設計・デザイン・施工・アフターメンテナンスまでのワンストップ性などを評価し、ポウハウス山田英彰に設計を依頼した。
「オーナーの意向で、既存樹は極力残したなかで建物を計画していったケース。現地を見に行ったとき、そこにいろいろな思い出が詰まっていたから、『これはそのまま活かしたいよね』と、オーナーとデザイナーの想いが重なってくる点が多くあった」
日本の原風景空間に招かれてひと息……
医療関係という事業を営むなかで、「和美の別邸」は“顧客へのおもてなし”の空間という位置づけでもある。
たとえば、成田空港に到着した顧客が、都心の渋滞を気にせずクルマで30分ほどの「和美の別邸」で、純和風な居住空間のなかで商談やレセプション、会食もできる。
海外の医療関係事業者トップが成田空港に降り立ってから、すぐにこんな日本の原風景空間に招かれてひと息できたら、予想以上の対話や商談が、すぐに始まる気配。
注文住宅デザイナーと業界オーナーの波長が見事に重なった空間づくりの好例だ。
伝統的な日本家屋の技と美を生かした別邸へ
「海外の知人をおもてなしするための、伝統的な日本家屋の技と美を生かした別邸。玄関からキッチンにつながる通り土間、存在感のある柱や梁。一枚板のカウンターで、古き良き日本の居住空間を体感できる」
「思い出のある木々やアプローチはできる限り残し、通り土間や石風呂などを継承し、現代風にアレンジしました」
「裏手には筍がとれる小さな丘があったりと、どちらかというとずっと昔から日本の原風景が残っているようなところ。そこを壊さないのを前提に、設計・デザインしました」
客人と料理人の目線は同じ高さ、細やかな気配り
ポウハウスデザイナー山田英彰が手がけた、「和美の別邸」のハイライトをみていこう。
リビングは、ブラックウォルナットの無垢フロアで上質な空間に。日本古来の「竿縁天井」は美しく、通気性の良さも魅力。
そして、客人をもてなすキッチンカウンターでは、キッチンとリビングの床の高低差により、客人と料理人の目線は同じ高さになり、会話が弾む。
お店を思わせる雰囲気が漂う、日本酒や小鉢での料理を楽しみたくなる造作テーブルもいい。
「プレミティブな生活」を描きたい
世界のアワードで複数受賞をレコードするポラテック設計室に所属するデザイナー、山田英彰。彼はいまこんなことを想っている。
「家っていったい、なんなんだろうということをいつも考えている。プレミティブな生活。原始的なものをよりみつめていくようになった。余計なものを省いていきながら、ほんとうほしい家はなんだろうと、追求し続けている」
「たとえば、これからの住まいは、他人がいてもいいという考えもある。これまでの住居、店舗、商業施設という垣根を外して、公園も大きな木の下で暮らす「木陰の家」のようなものをつくっていきたい」
ポラスグループの安心感と、いっしょに暮らす
ポウハウス 山田英彰 デザイナーは最後に、設計・デザイン・施工・アフターメンテナンスまで、ポラスグループで一気通貫・ワンストップで理想の家を実現させるメリットについて、こう話した。
「一般的にいままでの住宅分野では、建物が竣工すれば、あとのことはクライアントが自身でメンテナンスを依頼しない限り、置き去りになっているケースが散見された。われわれポラスグループは、木材をカットするところから、設計・デザイン、プロの大工の選別、アフターメンテナンスまで、オーナーとずっと寄り添っていく」
「そのオーナーの次の代、さらにその次の代へと継承されるような、100年先の家の姿を想いながらデザインしている。この家が50年後はどう想われているかを想像して、空間を描いている」
―――ポラスグループ ポウハウスのアフターメンテナンスでは、新築初期保証10年のほか、ロングサポート60という、60年保証システムも展開し、30年目まで無償点検、30年目以降は5年ごとに有償点検を行っている。
また、今回のポウハウスのような注文住宅や、一部の分譲住宅など、高品質な住宅を長期的に維持する取り組みは、環境保全の観点からも、高く評価されているという。
◆注文住宅ポウハウス(ポラスグループ)
https://www.pohaus.com/
◆施工事例「和美の別邸」
https://www.pohaus.com/works/5235/
◆山田英彰
https://www.pohaus.com/designers/hideaki_yamada/
アメリカでインテリアデザインを学び、帰国後は商業施設の設計に携わる。次第に、長い歳月を人に寄り添うデザインに惹かれるようになり、住宅デザインの道へ。ガレージハウスやライトコートなど、遊び心のある提案に定評がある。「アメリカで培ったものは、文化の狭間から見えた家に対する価値観。家という一番身近な環境が、どれほど人に影響を及ぼすかを考える。家は人を育てる器だということ」。