イチから農業はじめるなら島根！島根県立農林大学校が短期養成コースを新設、島根就業移住への最短ルート

2020-12-12 2022-09-29 5分20秒

『神々のふるさと』と呼ばれ、出雲、石見、隠岐の３つの地域からなる島根県。人口66万8162人、47都道府県のなかで46位というこの島根県に、いまU・I・Jターンする人が増えてるって、知ってた？

10～40代が、なぜいま島根県をめざすのか、島根へ戻ってくるのか。その答えのひとつが、「自然豊かな地方で農業を営みながら暮らしたい」という想いに、島根は最短距離の農業経営者コースを用意しているから。

実際に、農業経営者になるのになにが“最短”で“最適”なのか。島根県立農林大学校を訪ね、農業未経験から自営就農（農業経営者として独立する）までの基本ステップや受け入れ体制を聞いた。

「よう来たね」とむかえてくれたのは、島根県立農林大学校農業科安達浩美部長、同科果樹専攻内田芳朋准教授、小山佳代子助教。

「島根県のおだやかな風土のなかで、農業を仕事にして暮らしたい」

そんな願いを叶えてくれる“はじめの一歩”が、ここ島根県立農林大学校にあった。

まず、就農には大きく2種類ある。それは、栽培に加え自ら経営も行う「自営就農」と農業法人（企業）で栽培を担う「雇用就農」。

島根県立農林大学校農業科は、卒業後すぐに自営就農する卒業生を多く送り出す学びの場として、次のような特長をもっている。

自営就農にむけ農業科では、市町村包括的就農業パッケージにもとづくリースハウスや空きハウス斡旋制度、農業次世代人材投資資金（経営開始型150万円×5年間）など、支援制度が充実している。

島根県の就農パッケージは、就農希望者が、相談→研修→移住→就農のすべてのステップで、総合的に支援を受けられる応援体制がある。

この就農パッケージと島根県立農林大学校が密接に連携し、「すぐに自営就農できる」を実現させているという。

農林大学校は入学検定料2200円、入学料5650円、授業料月額9900円。これ、県立高校と同額。

エアコンやWi-Fiを完備した個室の寄宿舎（学生寮）は、月額1万円前後。健康的な食事を出す学生食堂もあって、いろいろ過ごしやすい。

農林大学校の一日は、午前に座学（講義）、午後が実習（実技）という時間割がほとんど。

農業科には、有機農業・野菜・花き・果樹・肉用牛の各専攻があり、専攻によってはビニールハウス1棟を1人で責任管理するといった実践に即したプログラムで、即戦力を身につけられる。

自動操舵トラクター、ドローンによる病害虫防除、リモコン除草機、ICT対応ハウス、環境モニタリングなども各種採用し、遠隔監視や自動環境制御の分野についても学べる。

島根県立農林大学校では、農業科（2年コース）に自営就農を目標とした就農準備コースを2021年に設立予定。

2年間で栽培に加えて農業経営も学ぶべく、基礎講義のほか、農業新技術（スマート農業）やマーケティング・流通、会計・ファイナンス、マネジメントなどのプログラムを用意。

就農にあたっては在学中から農地確保、機材整備、就農計画作成などを市町村や農協・農家など各関係機関と連携してサポートする。

さらに、ことし2020年には短期養成コース（1年コース）を新設。

卒業後すぐ、島根県内の農業経営者になることをめざす、社会人経験者などを対象にした個別カスタム型カリキュラムで、就農準備コース同様、栽培＋経営に必要な知識・技術を短期間で身につけられる。

入学前に県内市町村と相談し、就農予定地を決め、就農ビジョンを確定。予定地での実践研修も行うため、移住～研修～就農までの流れが明確で、卒業後すぐの就農にむけて安心して学べる点がポイント。

そして島根県には、独立・自営就農をめざす研修生を一時的に雇用し、働きながら独立に向けて学ぶことができる法人等（担い手育成経営体）が県内に19ある点もポイント。

卒業後、まずはこの19の経営体に就職し、いずれ自営就農をめざす人も少なくないという。

―――なるほど。こんなに突き抜けてたのか、島根の就農バックアップ体制。

別の記事では、この島根県立農林大学校を卒業後、ぶどう生産を営む20・30代の男たちを訪ね、「島根で農業を生業にして生きる」と決めるまでの設計図、ビジョン、暮らし、「島根にきてよかったな」と思う瞬間……などなどをレポートする。

◆島根県への移住・定住の総合相談窓口
ふるさと島根定住財団
https://www.teiju.or.jp/

◆しまねUIターン総合サイト
くらしまねっと
https://www.kurashimanet.jp/