鉄骨造や鉄筋コンクリート造が主流であった中大規模建築物まで木造に変えていくことで、木造建築の可能性を広げ、脱炭素に貢献していこう―――。

そんな想いで中大規模建築の木造化を加速させているのが、三井ホーム。

国産材利用促進、中大規模建築物の木造化に取り組んできた三井ホームは、この取り組みをさらに加速させ、脱炭素に貢献すべく、木造SDGsプロジェクト「MOCX GREEN PROJECT」(モクスグリーンプロジェクト)を7月28日からスタートさせる。

この「MOCX GREEN PROJECT」(モクスグリーンプロジェクト)では、4月以降の新たな木造建築による累計炭素固定量を、出荷ベースで木材使用量にもとづいた、より正確な炭素固定量を算出し、特設ウェブサイトで随時発信していく。

また今後、利用者単位(各棟)での炭素固定量を算出・提示していくことも視野に入れ、脱炭素化がより一層「自分ゴト化」されていく社会をめざす。

三井ホーム モクスグリーンプロジェクトの3つの柱

三井ホーム モクスグリーンプロジェクトは、次の3つの取り組みを柱として推進させていく。

(1)木造建築による炭素固定量を可視化する取り組み 

(2)国産材利用推進によるサプライチェーン全体での社会貢献の取り組み

(3)木造技術革新により中大規模建築物の木造化を推進する取り組み

三井ホームはまた、モクスグリーンプロジェクト発足を機に、2023年3月末時点で三井ホームが創業以来これまで手がけた木造建築において、炭素固定量が推定 約383万t(3,831,457トン)に達したとも伝えている。

これは東京ドームの延べ面積約2,162個分(スギの木 758万本分)の森林が固定する炭素量に相当するという。

三井ホームをはなぜ木造建築を増やす取り組みを加速させるか

木造建築は、森林と同じように炭素を建物内に長期固定することが可能。

たとえば三井ホームが建築した木造マンション「MOCXION INAGI」(モクシオン稲城 総面積3738.30 m2)では、スギの木 約3,000本分の炭素を固定。

居住地域において木造建築を増やす取り組みは、まるで森林であるかのように、大気中の炭素が街に固定されるといえる。

このことから、脱炭素社会に向けて企業においてもさまざまな取り組みが求められるなかで、三井ホームは本業である木造の建築を通じて、これまで以上に社会に貢献していくべきと考え、今回のプロジェクトをスタートさせたという。

炭素を固定、循環型資源…木造建築のメリット

◆木は長期間炭素を固定化
「木」は生長過程で CO2 を吸収し、伐採後も炭素を固定化し続けるため、木造建築は長期間炭素を大気に戻さないことに加え、伐採地に植林されることで CO2 吸収力は回復され、地球温暖化防止に貢献する。

◆サステナブルな循環型資源
木は、適切な森林管理によって持続的に再生産が可能な資源。植林・伐採・木材生産・建築・解体・焼却・再利用のサイクルを通じてこれからの時代に求められるサステナビリティ(持続性)の実現をめざす。

◆建築時の CO2 排出量削減
木造建築は、鉄筋コンクリート造(RC 造)や鉄骨造の建築に比べ、資材の製造時や加工時に必要なエネルギーが少なく、建設時の CO2 排出量の大幅な削減を可能にする。

◆木の断熱性
木は、鉄やコンクリートに比べて熱伝導率が低く、断熱性が高い素材。外気の侵入を防ぎ、快適な室内の温度を逃さないことは、健康的で快適な暮らしに不可欠な性能といえる。

―――こうした木造建築のメリットを活用した、三井ホームの中大規模建築物木造化の実績が、これだ↓↓↓

国内最大のツーバイフォー建築物木造 5階建て特別養護老人ホーム

◆花畑あすか苑(東京都足立区)

ツーバイフォー工法(枠組壁工法)では延床面積で国内最大となる 5階建て(1階 RC造)特別養護老人ホーム。

この建物は、ツーバイフォー工法の建築物として国内最大であるだけでなく、とくに 4層以上の中層木造建築物の地震時の横揺れに有効な新技術としてカナダで開発された面材耐力壁ミッドプライウォールシステムを採用した国内初の建物でもある。

ツーバイフォー建築物 木造5階建て特別養護老人ホーム

◆新田楽生苑(東京都足立区)

「木」と枠組み壁工法の構造特性を活かし、利用者やスタッフにやさしく地域交流にも寄与する施設に。

高断熱・高強度・高耐久な性能を備えたサステナブルな木造マンション

三井ホームの木造マンション「MOCXION」は、循環型資源である「木」を主要構造材に使い、高断熱・高強度・高耐久な性能を備えたサステナブルな木造マンションとして知られる。

BELS 評価の「ZEH-M Oriented」以上を取得するなど、大手不動産情報サイトが定める木造マンションの登録要件を超える当社の独自基準を満たすことで、入居者に安全・安心で快適な居住環境を提供するとともに、脱炭素社会の実現にも貢献している。

画像は上から「MOCXION INAGI モクシオン稲城」「MOCXION 四谷三丁目」「パークアクシス北千束 MOCXION」。

地域産材の活用――秋田県産スギを利用した低コストの畜舎モデル

広大なスギ人工林がある秋田県。この豊富なスギ材が、実は使われずにいる。

そこで三井ホームは、その資源を活用する木造畜舎を開発。スギ材は剛性が低く、たわみやすいという特性があり、トラス構造にすることにより、たわみを抑えることができる。

また、大断面材を使わず細い材で大スパンを実現させている点もポイント。

地域産材の活用――阿蘇くまもと空港 旅客ターミナルビル

屋根架構に熊本県産材トラスとダブルシールドパネルを採用している。

―――三井ホームはこうした鉄骨造や鉄筋コンクリート造が主流であった中大規模建築物まで木造に変えていくことで、木造建築の可能性を広げ、脱炭素に貢献。

今回の「MOCX GREEN PROJECT」(モクスグリーンプロジェクト)を推進することにより、これまでの脱炭素に貢献する取り組みをより一層加速させていくという。

◆MOCX GREEN PROJECT(モクスグリーンプロジェクト)
https://www.mitsuihome.co.jp/company/mocx_green_project/

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