世界中の人々を悩ませている睡眠課題の深刻さが、ResMed レスメド(東京都千代田区)の調査結果であらためて浮き彫りに―――。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)や慢性呼吸器疾患(COPD等)の医療機器を製造販売するレスメドは、世界睡眠デー(3月15日)に合わせ、「世界睡眠調査2024」の結果を公表。

4回目となる今年度の本調査は、レスメドの「眠りのスーパーパワーを発見しよう(Discover Your Sleep Superpower)」キャンペーンの一環。

過去最も包括的な調査として17カ国・地域の36,000名の協力のもと、世界中の人々の睡眠に関する状況と動向を調査。

同キャンペーンは、世界中の人々が自身の睡眠の潜在能力を再発見し、ポテンシャルを最大限に引き出すことを目的としている。

―――レスメドは今回の調査結果と、それを受けての考察を公表している↓↓↓

レスメド世界睡眠調査2024結果――睡眠不足大国日本と世界

◆回答者全体の平均睡眠時間は6.8時間。平均睡眠時間が最も短い国は日本で、6.45時間。

◆睡眠の質に「満足していない」と回答した日本人の割合は40%で世界ワースト1位。

◆中途覚醒してしまう日本人は世界平均の30%を大きく上回る42%。

◆世界全体で「毎晩熟睡できる」と回答した人はわずか13%。1週間あたりの睡眠不足日数では日本人が57%でトップに。いっぽう、1週間のうち良質な睡眠をとれた日数が最も多かったのはインドで、27%の人が毎晩よく眠れると回答。

睡眠を改善する食品や睡眠分析ツールなど、睡眠の質向上への関心が高まっている日本ですが、熟睡への道のりは遠いようです。

本調査において、日本の回答者の平均睡眠時間は6.45時間(6時間27分)と、米国国立衛生研究所が推奨する7時間から9時間の睡眠を下回っています。

さらに、一度入眠した後に目が覚めてしまう「中途覚醒」をしてしまう人も、日本は42%と世界平均の30%に比べて大きく上回っています。

このような要因もあり、睡眠の質に「満足していない」または「全く満足していない」と回答した人は40%と世界で最も高い割合を示しました。

また、日本では「良質な睡眠がとれるのは週に3日以下」という回答者が57%に上り、トップにランクインしました。

さらに、日本の回答者の5分の1以上が、毎週1日か2日しか質・量ともに良い睡眠が取れていないという残念な結果になりました。

(ResMed レスメド)

レスメド世界睡眠調査2024結果――睡眠時無呼吸症候群と日本人

◆日本における睡眠時無呼吸症候群の認知度は78%で世界1位。

◆睡眠時無呼吸症候群と診断されたことがある日本の回答者は8%で最下位。

◆日本で医師に睡眠課題について相談したことがあると回答した方は19%。

テレビ番組や新聞、雑誌など各メディアが日本人の睡眠状況について取り上げているということもあり、日本において「睡眠時無呼吸症候群を知っている」と回答したのは78%で世界1位でした。

いっぽうで、睡眠時無呼吸症候群と正式に診断されたことのある人は8%と、調査した国・地域の中では最下位でした。

日本における睡眠時無呼吸症候群の中等症以上(AHI[2]15以上)の罹患者は約943万人[3]いるとされていることを鑑みると、この受診率の低さは、睡眠時無呼吸症候群が「自分で対処できる病気」や「病院にかかるまでもない病気」として認識されているためだと考えられるかもしれません。

(ResMed レスメド)

レスメド世界睡眠調査2024結果――世界中に蔓延する睡眠問題

◆回答者の10人に4人が、週1~3日しか熟睡できていない。

◆3分の1以上の回答者が自らの睡眠パターンを積極的に追跡しており、その多くが睡眠の質を改善させるために就寝時の習慣を見直している。

◆更年期および閉経期の女性回答者に関しては、56%が睡眠障害に悩まされている。

本調査では、全体の回答者の10人に4人近くが週1~3日しか熟睡できておらず、慢性的な睡眠不足を患う人々が多数存在することが判明しました。

また、「日中に過度の眠気を感じる(50%)」、「朝方にネガティブな感情におそわれる(40%)」、「イライラしやすい(39%)」などの回答が寄せられました。

また、睡眠パターンを追跡・分析するアプリやウェアラブルデバイスの普及によって、自らの睡眠状況を分析することが容易になり、本調査では、睡眠パターンを追跡している回答者は36%に上り、日本は9%で最下位でした。

睡眠の質向上のためには自らの睡眠状態を知ることが不可欠です。追跡ツールとしては、スマートフォンアプリを使用して追跡している人が最も多く44%、指輪型やマスク、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスが31%と2位にランクインしました。

さらに、本調査では更年期および閉経期の女性の睡眠時無呼吸症候群についても調査を実施しました。

調査結果によると、更年期および閉経期の女性回答者に関しては、56%が睡眠障害に悩まされていることがわかりました。

また、25%の回答者が、睡眠中に呼吸の停止と再開を何度も繰り返すという睡眠時無呼吸症候群の症状に見舞われた経験がありました。

女性の場合、寝ている間に呼吸が停止してしまう「無呼吸」ではなく、呼吸が浅くなってしまう「低呼吸」に陥っていることも少なくないため注意が必要です。

(ResMed レスメド)

まず今回の調査で、良い睡眠の後に経験したプラス面として、集中力の向上(50%)、生産性の向上(51%)、精神的健康の向上(44%)が上位3つに上がった。

回答者の10人に9人近くが、良い睡眠は肉体的にも効果があると答え、83%が質の良い睡眠は創造性を高めると答えていることもわかった。

―――レスメド最高医療責任者 カルロス・M・ヌニェス医学博士は次のように述べている。

「睡眠は、食事、運動と並んで健康の第三の柱であり、睡眠の優先は健康全般を改善するために最も効果的な方法のひとつです。

世界中で9億3600万人以上が睡眠時無呼吸症候群を患っている現在、わたしたちが調査した36,000人のうち、10人に4人が週に3日以下しか熟睡できておらず、憂慮すべき事態だと捉えています。

この世界睡眠デーを機に、わたしたちは人々が自らの睡眠健康を管理し、睡眠時無呼吸症候群の症状を理解するよう促し、睡眠不足が睡眠時無呼吸症候群を含む疾患の指標となり得ることを、医療従事者と議論したいと考えています」

睡眠時無呼吸症候群の認知度は日本が最も高いのに、症状の認知度は最低

睡眠時無呼吸症候群とは、喉の筋肉が弛緩して空気の流れが抑制され、一晩中何度も呼吸が止まる慢性疾患を意味し、その認知度も高まりつつある。

調査回答者のうち57%がこの疾患について知識があり、日本(78%)と韓国(75%)で最も認知度が高いことが明らかに。

しかし、注目すべきは、これらの回答者のうち、診断を受けたのは26%(日本では8%)にとどまるという事実。

睡眠時無呼吸症候群の認知度は日本が最も高い(78%)にもかかわらず、睡眠時無呼吸症候群の症状の認知度は最低(41%)だったことにも注目だ。

―――さらに詳しいレスメド「世界睡眠調査2024」については、こちらへ↓↓↓
https://link.resmed.com/jp-sleepstudy-pdf

また、レスメド日本法人 黒川貴史 代表取締役に、「睡眠の質はどのように改善すればいいか」「自分が睡眠時無呼吸症候群かどうかはどのように判断すればいいか」「睡眠時無呼吸症候群にならないために、日常的にどのような予防ができるか」を聞いてみた。

睡眠の質はどのように改善すればいいか

ぜひ、レスメドのスリープスポットのこちらのページをご覧ください。

こういった、より良い睡眠のためのチェックリストの他にも、スリープスポットの「睡眠コラム」では深掘りした睡眠関連の情報を多くご用意しています。

https://sleepspot.resmed.jp/ask-coach/how-to-sleep-better/

ただし、睡眠の質を下げている理由が疾患による可能性もありますので、その場合は医療機関への受診検討されても良いかも知れません。

睡眠に関わる疾患は幾つかありますが、眠っている間のことはご自身でも認識していないことが多いのではないでしょうか。

一度、ご自身、またはベッドパートナーの睡眠状況を簡単にオンラインでふり返られてみるのも良いかもしれません。

https://sleepspot.resmed.jp/online-sleep-assessment

(レスメド日本法人 黒川貴史 代表取締役)

自分が睡眠時無呼吸症候群かどうかはどのように判断すればいいか?

睡眠時無呼吸症候群の診断は、睡眠について診察をされる医療機関で行われます。

まずは睡眠時無呼吸に関しての詳細を、是非こちらのページでご確認ください。

不安に思われる場合は、医療機関に検査などのご相談をされた方が良いかもしれません。

https://sleepspot.resmed.jp/symptoms/sleep-apnea/what-is-sleep-apnea

(レスメド日本法人 黒川貴史 代表取締役)

睡眠時無呼吸症候群にならないために、日常的にどのような予防ができるか

睡眠時無呼吸は、男女問わず、骨格や加齢に拠ることも多く、個人によって状況が異なるため、症状に気付かれた際に専門家に相談することをご検討ください。

日本呼吸器学会が監修している睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドライン2020には、閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSA)の発症に関連する主な因子について、最も重要な因子は肥満としています。

https://www.jrs.or.jp/publication/jrs_guidelines/20200730145402.html

(レスメド日本法人 黒川貴史 代表取締役)

https://www.resmed.jp/

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