「社会実装をめざし進化し続ける大学教材」でありながら、スクールバスとしてキャンパスと最寄り駅を行き来し、さらに全国の路線バス事業者・各自治体などからオファーを受け各地の実証実験走行に出向くバス――― 埼玉工業大学 自動運転AIバス。

埼玉工業大学 自動運転AIバスの最大の特長は、既存の路線バス車両 日野レインボーIIに、後付け自動運転AIシステムを搭載し、全国各地の路線バスルートをレベル2で走り通せるところ。

この後付け自動運転AIシステムという独自性から、全国の路線バス事業者が既存車両を自動化できることから、全国各地の自治体・路線バス事業者から注目を集め、実証実験への打診が相次いでいる。

そんな埼玉工業大学 自動運転AIバスが新たなフェーズへ。

運行回数を最大1日18便に増

埼玉工業大学キャンパスと最寄り駅のJR高崎線 岡部駅を自動運転レベル2で結ぶスクールバスとしても活躍する自動運転AIバスは、4月10日から毎週水~金曜 週3日間、運行時間帯を拡大し、運行回数を最大1日18便に増やす。

今年度の入学式(4月1日開催)では、新入生と保護者の送迎に自動運転スクールバスを特別運行し、自動運転AIバスのオートで走る姿を親子で体感した。

「自動運転技術専攻」を情報システム学科に新設

また埼玉工業大学では、DXに対応する人材育成を強化し、工学部情報システム学科AI専攻をはじめ、全学部学科でAIの基礎を学べる教育カリキュラムを展開。

さらに、自動運転技術に対応する人材育成に向けて、「自動運転技術専攻」を埼玉工業大学 工学部 情報システム学科(2025年4月開設)に新設する予定という。

埼玉工業大学のエキスパートたちが加入、自動運転技術開発を強化

トヨタ プリウス、マイクロバスタイプの日野リエッセII、路線バスタイプの日野レインボーII などに、後付け自動運転AIシステムを搭載し、全国各地の路線バス事業者・自治体と走行実証実験を重ねてきた埼玉工業大学が、レベル4対応の自動運転バスの開発へ向けて研究者を増員し、大学内に拠点をおく自動運転技術開発センターを強化する。

国内の私立大学に先がけて2019年4月に学長直轄の研究部門として設立した埼玉工業大学 自動運転技術開発センターは、この1月から同センター研究者を倍増させ、研究・開発体制を大幅に強化。

自動運転レベル4への対応も視野に入れ、産学官連携で開発を推進していく。

<埼玉工業大学 自動運転技術開発センター 新体制>

渡部大志 センター長、副学長、工学部情報システム学科 教授/画像認識工学研究室
鯨井政祐 工学部情報システム学科 教授/ヒューマンインタフェース研究室
和田正義 特任客員教授
*田中克明 人間社会学部 情報社会学科 教授/知能情報システム研究室
*中村晃 工学部情報システム学科 教授/システム制御研究室
*本吉裕之 人間社会学部 情報社会学科 准教授/経営企画研究室
*望月義彦 工学部情報システム学科 講師/視覚情報処理研究室
( * 新メンバー)

埼玉工業大学のAR動画開発技術なども期待

埼玉工業大学は、観光アテンドルの開発も力を入れ、全国の各自治体で学生たちが開発したアテンドルが活躍。

こうしたAR動画やヴァ ーチャル・アイドルの開発技術も、自動運転AIバスに採用し、多角的なサービス開発を手がけていくというから、今後の展開に注目を。

◆埼工大 自動運転特設サイト
http://saikocar.sit.ac.jp/

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