「デジタル技術の進化は著しく、社会ではさまざまな領域でDX化が進められています。

しかし、「個」に立脚したサービスにおいてはSNSやアプリなどがあるものの、それぞれが分散・独立し、自身の人生の記録をさまざまな角度から自分視点で総合的にデジタル化して未来に残し、繋げていくことができるサービスは見当たりませんでした。

そこで、デジタル技術の恩恵を「個」の視点で享受し、誰もが個々のQOL(Quality Of Life)の向上と共生を目指すための概念を「ライフDX」と定義し、ライフDXを実現するための“魔法の箱”というべき「xLife」のサービスを開発しました」

―――そう語るのは、ライフDXの社会への普及をめざし設立された一般社団法人ライフDX推進協会(https://www.lifedx-ea.com)の代表理事で、クラウド型ライフDXオールインワンWebサービス「xLife」(https://www.xlife.jp/)を運営するエックスライフ株式会社の代表も務める佐藤孝幸氏だ。

佐藤代表は今年70歳を迎え、前だけを向いて進んできたこれまでの人生から、過去を整理し後の世代に残していくということに目を向け始めたといい、シニアベンチャーであるエックスライフ社を立ち上げた。

佐藤代表を含むシニアの目線で開発された「xLife」(https://www.xlife.co.jp)がどのようなものか?

その利便性・機能性・アドバンテージをチェックしていこう。

SNS にはない人生プラットフォームへ

クラウド型Webサービス「xLife」は、すべての地域の老若男女誰もが自由に自分を記録し、デジタル名刺で家族親族・友人・仲間と「消えないつながり」を維持しつつ、大切な人にはラストメッセージを遺す、さらに自分の記録はサーバー空間のお墓「デジタル墓標」で未来へつなぐというライフDXをオールインワンで実践できるデジタルプラットフォームだ。

「ウサギ小屋と呼ばれたマイホームから、高度成長、バブル、リーマンショック、巨大ITプラットフォーマ台頭などを経験し戦ってきたシニアが、最後の仕上げとして、氾濫するアプリやSNS 、AIなどへの依存で付和雷同化し QOL(人生の質)が混とんとする現代と未来に送る、アンチテーゼでもある」(佐藤代表)

そんな想いでローンチした「xLife」のおもなサービスが、これだ。

スマホ名刺「MyCARD」でつながりを

経年とともに情報が古くなる紙名刺と違い、xLife のスマホ名刺「MyCARD」(マイカード)を使えば、最新の“自分情報”が共有・公開でき、災害時の安否確認や懐かしい人の消息追跡もかんたんにキャッチできる。

親族検索で3親等つながりを把握

xLife では、親族検索もかんたん。3親等までの親族つながりを相手の認証を得て、双方に登録できる。

親族つながりのデジタル化で、その親族、そのまた親族へと親族探索を支援。この親族探索で3親等つながりを把握でき、簡易家系図が作成できる。

タイムカプセル、リモート見守り、死亡確認・通知

xLife では、大切な家族や親族、友人のために 3つのサービスを提供中。

ひとつはお祝いやお知らせを期日指定で送付するタイムカプセル。

ふたつめは大切な人のリモート見守り。 そして3つめは死亡確認と通知。

「タイムカプセル」機能は、お祝いなど誰かに将来に向けて送りたい時限開封メッセージを5年先まで作成できる。

また、「大切な人」機能では、自分が見守るべき人、死亡を確認しxLifeへ指示すべき人の一覧、自分の見守り依頼をデータ化できる。

自分の死亡を必ず知りうる家族、親友など2名を相手の許可を得て選定し、選定者が xLife に死亡通知し36時間経過しても取消しがなければ死亡を確定する。

さらに、「マイ終活」では、自分の不慮の逝去に備えて死亡を確認できる人、通知すべき人、大事な人へのラストメッセージを事前に作成・保存できる。

デジタル手記遺産

その中にあってライフDX推進協会は、「3.11」に合わせて、「特集:東日本大震災を繋ぐ」と題したコンテンツを公開した。

xLifeに実装された自分の人生で起こったできごとや経験や想いを誰もが記帳・公開できる「デジタル手記遺産」と呼ばれるサービスを利用した特集の第1弾で、誰もが無料で閲覧することができる↓↓↓
https://www.xlife.jp/XLife/MyStorys.aspx

もちろん、xLife に登録すれば誰もが「自分が生きた証」を公開することができる。

いわば、「私の履歴書」のデジタル版だ(ただし、公序良俗に反するもの、個人を中傷するような内容は削除されることもある)。

自身も東日本大震災で被害を受けた宮城県丸森町出身である佐藤代表はこう語る。

「知のデータベース構築へ」

「東日本大震災や年初に発生した能登半島地震をはじめ、災害大国である日本では昨日まで元気だった人たちが翌日には帰らぬ人となってしまう事態が起こりえます。

不測の事態を乗り越え、ブレークスルーを起こしていくためには、過去の経験・教訓をより多くの人たちで共有し、アクションに活かしていくベースが必要となります。

そのためライフDX推進協会として、公益性・公共性・社会性の観点に立脚し、災害や事故・紛争に直面した被災者・当事者の想いや経験をつなぎ、不慮の災害や事故への備えを未来へ活かしていくことで「知(ナレッジ)のデータベース」の構築につながるコンテンツを発信したいと考えました」(佐藤代表)

「まさしく後世に残すべき災害時のバイブル」

今回 xLife で公開された「特集:東日本大震災を繋ぐ」は、当時の市町村長(現職を含む)や復興支援活動・調査に携わった大学教授の手記など。

「いまだから語れる話も披露されており「災害発生時から復旧・復興への取り組み、支援・応援への御礼、次世代へのメッセージなどが克明に記されたデジタル手記は、まさしく後世に残すべき災害時のバイブルです。

東日本大震災で甚大な被害を受けた鉄道などの交通網の復旧についても、鉄道好きの皆さんにとっては興味深いと思います。

さまざまな共通課題や施策・アプローチの違いなどが内包され、地方自治体関係者や災害支援団体、ボランティア団体から個人を含めて、災害の現実に触れるとともに、被災時にどのような行動をとるべきか、いかに助け合うべきなのかなども記されています。

災害を風化させることなく、必ずや地域の安心・安全や人間の尊厳を守るための数多くのヒントを読み解くことができるはずです」(佐藤代表)

今回、公開された手記は、宮城県角田市:大友 喜助 前市長/宮城県岩沼市:井口 経明 元市長/宮城県丸森町:保科 郷雄 現町長(第1部:東日本大震災/第2部:令和元年東日本台風)/福島県新地町:加藤 憲郎 前町長/宮城県塩竃市浦戸諸島(桂島):福島 真司 大正大学地域創生学部教授(当時 山形大学教授)の5名。

大友 前市長「人の生きた証を“手記遺産”として後世に」

公開にあたり宮城県角田市の大友喜助前市長はこう伝えている。

「わたしにとって、行政の最前線で闘った東日本大震災は、いのち、共助、共生そして新たな希望を見出すための大変な出来事でした。

また内陸部であり甚大な被害の沿岸部の支援も重要な役割でした。

さまざまな思いを込めて書き上げたこの手記が、災害大国日本に住む多くの人たち、そして未来のあらゆる人の一助になれば幸いです。

自然や建築物のみならず、“人の生涯”も未来への大事な遺産です。

それだけに、人の生きた証を“手記遺産”として後世に伝えられるこの取り組みが拡がっていくことを期待します。

ぜひ、皆さんもxLifeに登録して、「デジタル手記遺産」に人生の証を残してください。また、こんな特集を!! とういうテーマがございましたら、教えていただけると幸いです」

佐藤代表「より幅広い分野・領域で情報やナレッジを共有」

―――70歳以上を中心としたシニア集団で構築される「xLife」。

今後は人、ペット、動物、植物の生涯をデジタル化することで自助・共助・動植物との共生を推進し、さらに上記で紹介した機能やコンテンツはさらに使いやすくアップデートを続けていくという。

「デジタル手記遺産においては、母子家庭から一流商社で世界中を駆け巡った商社マンの手記なども公開しています。

今後は多くの人たちの知恵と経験を反映し、より幅広い分野・領域で情報やナレッジを共有できる仕組みへと進化させていくとともに、生成AIなどで必要とされるナレッジとのマッチングを図るなど、最新テクノロジーの活用も検討中です」(佐藤代表)

佐藤代表「企業・団体などとの共創も」

「また、地域に閉じた自治体イントラネット網にxLifeのコミュニケーション&情報収集・発信機能を実装し、「Fault Tolerant(止まらない)」かつ「Hi Security(安心・安全)」な防災情報ネットワークを実現する構想を描いています。

その鍵を握っているのが、企業・団体などとの共創です。

「ライフDX」の発想にもとづき、さまざまな分野に特化したサービスやソリューション、技術・ノウハウ・知見を融合させて、これまでの延長線上にない付加価値の高いベストプラクティスを創出し、社会実装していく。

ライフDX推進協会とxLifeが、そのハブを担いたいと願っています」(佐藤代表)

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