夏の風物詩といえば、花火大会。
でもここ最近、有料化や柵設置、ゲリラ豪雨ドタキャンなど、これまでのように楽しめなくなったのも事実。
―――そんないま、「打ち上げ場所と観覧場所が近く、頭上で花火が炸裂するような迫力を体感できる」という、島根県の山間で8月14日に開催される「吉賀町ふるさと夏祭り」がおすすめ!
日本一ちかくで炸裂する花火を体感できる「吉賀町ふるさと夏祭り」は、8月14日、高津川 相生橋付近で20時から開催。
屋台などは18時から、また伝統芸能・石見神楽も上演されるから、夏の夕涼みを楽しみながら、打ち上げまでゆっくり待ってみて。
水質日本一の高津川、大井谷の棚田
鉄道が走っていない、島根県の最も西にあるまち―――吉賀町(よしかちょう)。
中国山地の山間にある吉賀町は、安蔵寺山などの1,000メートル級の山々が嶺を連ね、町内をほぼ南北に一級河川・高津川が流れる、水と緑に囲まれた農山村地域。
高津川は本流にダムがなく、水源(大蛇ヶ池)が特定できる珍しい一級河川で、国土交通省の水質調査で7回も日本一に。
また、高津川の水源である平成の名水百選 一本杉の湧水、日本の棚田百選に認定された大井谷の棚田、山陰唯一のコウヤマキの自生林、長瀬峡や安蔵寺山などの自然景観資源がゆたかなうえに、むいかいち温泉、木部谷温泉、柿木温泉には多くの人が訪れ、カタクリやシャクナゲ、ひがん花などの地域資源を活かした住民イベントや神楽も盛んな、注目エリア。
岩日北線の“駅”はいま、温泉
「吉賀町ふるさと夏祭り」(8/14 @高津川 相生橋付近)といっしょに体感したいのが、「道の駅むいかまち温泉」。
実はここ、吉賀町に鉄道が走るはずだった、岩日北線(がんにちきたせん)の駅「六日町駅」ができるはずだった。
岩日北線は、山口県の山陽線 岩国駅と、島根県津和野町の山口線 日原駅(にちはらえき)を結ぶ、当時の岩日線の北側区間。
南側の岩国~錦町は昭和30年代から岩日線として順次開通。その北側、岩日北線も錦町~六日市が着工され、高架橋やトンネルがつくられた。
―――そんな岩日北線の“残像”を、温泉に浸かりながらゆっくりと思いにふけるのも、あり。
600年前からの石積み、大井谷棚田で深呼吸
そして、吉賀町を訪れたら、大井谷棚田(おおいだにたなだ)で深呼吸。
島根県吉賀町と津和野町の山あいの堺にある大井谷棚田は、室町時代から江戸時代にかけて。600年前から石積みを何度も積み直し、そのつど手を加えながらいまも現存し、630枚もの石積み田んぼが現役で吉賀町の風景をつくっている。
―――いまこそ、鉄道の“残像”と室町時代から続く棚田、そして注目の花火大会が開催される島根県 吉賀町へ。
ゆっくり流れる清流と棚田の時間と、ふつふつと湧く温泉に、浸ってみて。
◆しまね観光ナビ
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