フジテレビ系列「ホンマでっか!? TV」12月25日放送回「ダイエットは卒業!痩せ体質SP」で注目を集めた話題のひとつが、ヨーグルトファースト。

岡本宗史医師が「ヨーグルトに含まれる酪酸菌・乳酸菌の効果で、GLP-1 と呼ばれるホルモンをつくりだし、GLP-1 が腸管の動きを遅らせて、食欲を抑えられるうえに、血糖値の上昇を抑えられる」と伝えた話題だ。

このヨーグルトファースト説。実は6年前の2018年、同志社大学 生命医科学部 糖化ストレス研究センター 八木雅之 教授らの共同研究で、すでに明らかにされている。

食後の血糖値上昇を抑えることが判明

当時の調査結果によると、ヨーグルトを米飯の前に食べると、食後の血糖値の上昇抑制をすることが判明。

またヨーグルトを米飯の前に食べるヨーグルトファーストは、すでに報告されている、米飯よりも野菜サラダを先に食べる食事法「ベジタブルファースト」と同等、またはそれ以上の効果があることがわかった。

ヨーグルトの高血糖抑制作用には、ラット・マウスなどを用いた動物実験や、ヒト臨床試験があり、ヨーグルトに含まれる乳ホエイ中のアミノ酸や乳酸が寄与していると報告されている。

健康診断で測定する空腹時血糖値が基準範囲内であっても、食後の極端な高血糖状態は、老化の原因である糖化ストレスを招く。

食事にヨーグルトを追加して摂る食習慣は、食後高血糖の抑制により糖化ストレスを軽減し、老化や疾患の進展予防に寄与する可能性が示唆された。

ヨーグルトの食後高血糖抑制作用

「乳ホエイの食後高血糖抑制作用は、ホエイ中のアミノ酸がインクレチン分泌の促進に作用している可能性がある。

乳酸には、食品の消化管内で消化部のゲル化促進、ガストリンの分泌抑制による消化速度抑制作用が知られている。

市販のプレーンヨーグルト製品19種類を調査した結果、ヨーグルト中のタンパク量は3~4g/100g(栄養成分表示による)、乳酸量は90~900mg/100gだった。

また、ヨーグルト摂取30分後には血漿乳酸濃度が上昇し、3時間後まで維持することが報告されている。

これらから、ヨーグルトと米飯をいっしょに摂取したときの食後高血糖抑制作用は、ヨーグルト中の乳タンパクの消化にともなうアミノ酸によるインクレチン分泌促進、および乳酸による胃での消化速度遅延、消化物のゲル化促進、吸収された乳酸による糖代謝の促進などが関与した可能性がある」(当時の調査結果)

―――こうした結果から、岡本宗史医師がいうように、食前にヨーグルトを食べる“ヨーグルトファースト”で、“痩せ体質”になるという話題は、2025年の新しい食生活で、身体を軽くしたい人に、取り組みやすいトピックスとして注目を集めた。

今後の“ヨーグルトファーストをトライしてみた”という人たちの、SNS発信などが、ちょっと楽しみ。

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