拠点数は10万室を突破、業界最大規模のレンタルトランクルーム「ハローストレージ」を手がけるエリアリンク(東京都千代田区)は、無人運営による低コスト・高利益率などのアドバンテージで業績が好調だ。
2023年3月から代表取締役に就任した同社 鈴木貴佳 社長が、2023年度の事業実績や、中長期目標などについて教えてくれた。
18%の高利回りをマーク、本社一括管理のオペレーション
まずは、エリアリンクの主力事業である『ハローストレージ』について。
エリアリンク『ハローストレージ』は、室数は業界最大規模で、掲載物件数は全国トップ。2023年12月末時点で、47都道府県で2,160物件、101,379室を展開している。
同業他社を引き離す強みとして、鈴木代表は「高い収益性」「無人運営で低コスト、高い利益率」「用地確保から短期間で運営開始が可能」をあげる。
コンテナ型・ビルイン型は土地を借り上げるため投資額が少なく、18%の高利回りをマーク。本社一括管理のオペレーションで運営物件数が増えても人件費・広告費が抑えられるといった優位性がある。
積極展開し2029年には20万室突破を見込む
また、新型コロナウイルスの流行で、出店を一時抑制していたものの、在宅ワークの増加やステイホームの時間が長くなったことから、荷物整理の意識が向上し、トランクルームの需要はさらに高まり、総室数は2022年から出店を再加速して10万室を突破。
2023年6月には、業界初の不動産小口化商品「ハローAct(アクト)」を提供開始し、トランクルーム投資市場における投資家の新規参入のきっかけづくりや一棟型トランクルームの中古市場を形成することで、さらなる業界の発展をめざす。
さらにLIFULLトランクルームを運営する LIFULL SPACE を子会社化し、LIFULLトランクルーム運営ノウハウをエリアリンクが持つデータに加え活用することで、今後新規に出店するトランクルームの精度をさらに高めていく。
エリアリンクは、こうした積極展開で、2029年には20万室突破を見込む。
25年間で10万室かかったのを「7年で10万室」に
エリアリンク 鈴木貴佳 社長は、ハローストレージなどが新規オープン後に、損益分岐点を超え黒字化する経過月数が年々早まっていることにも言及。
2017~2018年には1年ほどかかっていたストレージ運用の黒字化が、直近3年では半年で損益分岐点を超えるまでに改善された。
こうした事業加速化で、これまで25年間で10万室を整備したスピードを、その1/3以下の7年でプラス10万室を増やし、2029年に現在の倍の20万室をめざすという。