「まだ、都会で貧乏やってるの?」というインパクトあるタイトルで書店を飾った「熊本で年収1億を稼ぐ男」―― 吉角裕一朗 が、5年の月日を経てまた新たな衝撃を打ち放した。
吉角裕一朗の新刊「「まだない仕事」で稼ぐ方法」(ワニ・プラス/ワニブックス)。
表紙には「四次元ポケット」「ノビタランド」といった文字が踊る。「あのドラえもんのひみつ道具に似たツールが次々と具現化しているテック革命時代のいま、地方も個人も、ビジネス成功のチャンスがある。そんなヒントを満載した」という吉角は10月30日、東京 八重洲ブックセンター本店トークショーに登壇。
吉角の新刊を手にした来場者たちは、「群れる人たちは成功者になれない」「ファイナンスを学んだほうがいい。利ざやとキャッシュフローはまったく違う」といった彼の持論に聞き入った。
「アメリカ発のGAFA(Google/Apple/Facebook/Amazon)が巨額の資産をもっていても、シリコンバレー集団が何兆円っていう自己資産があっても、世の中はそんなに大きく変わってない。そこに根幹的な問題がある。そんないま、新しいテクノロジーで循環型社会をつくる発想が世界的に必要」
「ドローンがこれだけ普及し、子どものおもちゃから軍用機にまで活用されるようになったのは、モーターとバッテリーの進化があげられる。モーターとバッテリーの小型化・強力化で、できなかったことができるようになった。こうした現代のテクノロジートレンドをキャッチアップし続けていきたい」
自分だけにしかない価値でビジネスを
吉角裕一朗。1982年、熊本県生まれ。株式会社吉角 代表取締役。
高校卒業と同時に上京し、高田延彦道場の門を叩き格闘技界入り。ケガで格闘家の道を断念し、東京の専門学校に通いながらバイト生活を送る。
24歳で故郷 熊本に戻り、世の中の最新テクノロジーを学びながら最初にたどり着いたのが自動車の再生バッテリーのインターネット通販事業。
そこからビジネスフィールドを海外に広げ、ベトナムを中心にアジア各国、アメリカやヨーロッパと取引を開始。現在は年商10億円を叩き出す。
「『産官学の戦略イノベーション』なんていうベンチャービジネスとかをみても、5年後に残っていないビジネスばかり。要は、イケてない」。トークショーでは、歯に衣着せぬ発言に来場者はのめりこむ。
「大事なことのひとつに、競争しないこと。たとえば『自分よりもあの人のほうが稼いでる』とか、『独立して自由になった彼がうらやましい』とか。それは相対的な比較。自分だけにしかない価値を見出してその価値を活かしたビジネスを構築していくこと」
「他人の評価や評判、嫉妬とかって、あとで考えたらほんとにどうでもいい。だから最初から触れないこと。ほんとに自分の人生を見つめたときに、社会にどういうインパクトを与えたいかという観点でものをみるべき。あと、負けるんだったら自分の思うようにやって負けたほうがいい」
「原理原則にのっとったものとか、矛盾がないものしか続かない。そこに大きなビジネスモデルが生まれる。世界を大きく変えるほどの。そうしたことに気づき始めた人たちは、Facebook や Twitter をやならくなってきた。必要ないから」
「ネット上にあるゴミみたいな情報を集めても、そこから出る考えや行動なんてやっぱりゴミ。人脈なんていう大したものじゃなくても、感度が高い人たちと会うことで、その先にまた感度の高い人たちに会える。で、まわりにそういう人が集まってくるようになる」
―――トークショーで「これからやりたいことは?」と聞かれた吉角裕一朗は、「国内の食料って、実は5割が捨てられてる。このフードロスをゼロにしたいから、企業と提携しながらエコシステムの流れをつくっていきたい」とも話していた。
tokyochips編集部