2024年11月21日(木)、JVCケンウッドからワイヤレスイヤホン「HA-NP1T」が発売された。
イヤーカフ型で耳をふさがない開放型のワイヤレスイヤホンで、まるでアクセサリのように身に着けられるのが特徴だ。見た目はイヤリングのようで、耳の外側、ちょうど真ん中あたりに付ける。
カラーは秋冬にぴったりなティールブルーやマルーン、どんなファッションにも取り入れやすいアイスグレーなど、おなじみ定番色のオフホワイトやコールブラックなど5色から選ぶことができる。
早速、使ってみた。
耳をふさがないから周りの音が聞こえる
こうしたBluetoothイヤホンでは、まず接続が途切れないかどうかが気になるところ。試しに手持ちのiPhone16ProとBluetoothでつなぎ、丸1日使ってみたが、この点では非常に満足度の高い結果が得られた。接続したままiPhoneを机の上に置き、お手洗いに行ったりオフィスを歩き回ってみたが、10メートルほど離れても途切れることはなかった。
次に気になるのが音漏れだが、これも全く問題ない。開放型で、かなり音量を大きめに設定して使っていても周囲に音が漏れない。実際に取り外してみると、目の前に置いてもかすかな音さえ聞こえないが、装着するとしっかりとしたボリュームで聞こえるのである。
痛みや圧迫感は全くないのに、しっかり装着できるのも嬉しい。もちろんプロのスポーツ選手なら話は別だろうが、ランニングマシンで1時間走る程度であれば耳からずれ落ちることもなかった。意図的に外そうとされない限り、なくすこともないだろう。音楽を聞きながら寝るのにも良さそうだ。
一番のメリットは、「周りの音が聞こえる」こと
筆者は普段カナル型のイヤホンを使っている。耳の奥までしっかり挿入するため、音漏れは気にしなくていいかわりに周りの音はあまり聞こえない。仕事中のちょっとした呼びかけにさえ気付かないことがあるので、街を歩きながら音楽を聴くのは少々抵抗がある。
「HA-NP1T」の素晴らしいところは、周りの音もしっかり拾えるところ。実際、イヤホンで音楽を聞きながら仕事を続けたが、電話や周りの呼びかけにも難なく反応できた。「周りの音を聞き逃したくない」というシチュエーションでは重宝するだろう。
使いたくなる場面はいくつか想定できる。たとえば、小さなお子様がいるご家庭での家事時間。音楽は聴きたいが子供の声を聞き逃すのは怖い、そんな時に便利で使いやすいワイヤレスイヤホンだ。
このほか、公式の説明によればBluetooth伝送時に発生する遅延を抑制する低遅延モードで、スマートフォンやタブレットでのゲームや動画視聴も快適に楽しめるという。スマホ音ゲーをやるのであれば試してみたい。
一方、不向きな場所もある。一日中使ってみて気付いたのが通勤時の使いにくさだ。静かな車内であれば特に問題なく音楽が聞き取れるものの、通勤電車が駅ホームを通過するときなどは全く音楽が聴こえない。周りの音が拾えてしまうがゆえのデメリットとも言え、その点ではカナル型に軍配が上がる。
また、充電も劇的に持つわけではないことに注意が必要だ。電池持続時間はイヤホンが最大8時間、充電ケースは最大16時間。朝の通勤開始から退勤までハードに使い倒していたら、帰りの列車内で電車が切れてしまった。もっとも、これはワイヤレスイヤホンなら当たり前のことなので、一日使ったら充電しておくくらいの感覚で問題ないだろう。
HA‐NP1Tの主な仕様
[型名] HA‐NP1T[カラー展開] -A(ティールブルー)、-B(コールブラック)、-H(アイスグレー)、-T(マルーン)、-W(オフホワイト)
[種類] オープンイヤータイプ
[ドライバーユニット] 口径10mm
[通信方式/出力] Bluetooth®標準規格 Ver.5.3 / Power Class 1※5
[対応コーデック] SBC / AAC
[対応コンテンツ保護] SCMS-T方式
[電池持続時間]※1 イヤホン:最大8時間、充電ケース:最大16時間(計:最大24時間)
[充電時間]※1 イヤホン:約2時間、充電ケース:約2.5時間
[質量] イヤホン(片耳):約4.9g、充電ケース:約30g
[付属品] 充電ケース、充電用USBケーブル、ロゴステッカー
※1:使用条件により変わります。
※5:2.4GHz帯の周波数を使用した無線機器です。また通信距離は目安です。周囲の環境や建物の構造、電子レンジなど2.4GHz帯を使用する機器や無線などの干渉により、受信距離が短くなる場合があります。
記事:一橋正浩