ロボットに接客してもらう時代
2020年1月23日(木)、池袋南口ルミネの向かいに『ゼロ軒めロボ酒場』がオープンします。期間は1月23日(木)~3月19日(木)のおよそ2ヶ月限定。1/22~1/23にかけてマスコミ向けのレセプションが行われましたので、一足先に取材へ行ってきました。
注文はとっても簡単。店内でドリンクを注文してQRコードが記載されたチケットを受け取ります。これをロボットのいるカウンターで読み込ませるだけ。
すると……
合成音声を響かせながらロボットがアームを操作し、ビールなら40秒、ハイボールやサワー・カクテル類を100秒で提供します。メニューは「生ビール」から「桃色ロボ想い」のようなよく分からない名前のカクテル類まで、全部で6種類。どれも一杯500円です。
店内にはカメラが設置されており、お客さんの表情や性別を識別出来るようになっています。ロボットに搭載されたAIはそれらの情報を個人情報を含まずに収集し、あらかじめ用意されたテキストからその場にふさわしいものを選んでお客さんと「会話」を行います。
テキスト自体は人間があらかじめ用意していますが、何を選んで会話するかはAIが選び、接客経験を積むことで会話パターンを洗練させていきます。実験ではこうした会話データなども収集していく予定です。
実はパスタも作れる
ところでこのロボット、どこかで見たことがある、という方もいらっしゃるでしょう。実は最近大宮駅でショートパスタを作って一食百円で提供していました。
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このロボット、調理機材を変えれば様々な料理に対応できるため、あるところではパスタを、また今回のような実験店舗ではビールやカクテルを作れる万能調理員になれるということですね。働き者だ。
人手不足の解消なるか
「ゼロ軒めロボ酒場」は養老乃瀧株式会社が株式会社QBIT Roboticsとともに運営する実験店舗です。
養老乃瀧も他の外食事業者と同様に深刻化する人手不足に悩まされており、QBITの接客ロボットサービスにはホールスタッフ労力低減を期待しています。「ロボット酒場」で人手が必要になるのは主に開店や閉店作業と食材補充のみとなり、店舗自体は0.1~0.3人/日程度で回すことが出来るようになる見込みです。
本実証実験を実施することで、養老乃瀧は実証実験前後の比較を行い、実店舗におけるロボット活用の有用性や有効性を検討。ホールスタッフの稼働削減やロボット運用の可能性、収益性から多店舗展開に見合うかどうかといった観点からQBITと協議を開始します。
記事/写真:一橋正浩