9月1日は防災の日―――水害・土砂災害が頻発し、その猛威が高まる日本列島。
8月28日からは、不動産取引での重要事項説明に「水害リスク」が加わり、不動産業者から入居者や物件購入者に対し、水害のリスクや避難所の情報などをハザードマップで説明する義務が追加され、ハザードマップの重要度が高まっている。
――― 防災・減災事業、インフラ・メンテナンス事業などを手がける応用地質(東京都千代田区)は、全国の20歳以上の男女1200名(水害経験者600名+未経験者600名)を対象に「水害・土砂災害経験者と未経験者へ避難に関する比較調査」を実施。
この調査の結果、ハザードマップの理解や運用促進を図る上での課題がみえてきた。
まず、全体の約8割はハザードマップを「見たことがある」と回答。
ハザードマップを「見たことがない」理由については、「興味はあるが確認方法がわからない」が最も多く半数を占めた
また、9割以上が「ハザードマップを把握することは安全な避難において重要だと思う」(96.3%)と回答。
避難所などへの避難を決めたきっかけは「ニュース速報」と「地域の避難勧告連絡」が主流だった。
いっぽうで、避難所へ避難しない理由の1位が「避難所での生活が不安だから」という心理もみえてきた。
――― 今回の調査で、ハザードマップや地域の避難所に対する理解や認知度などが明らかに。
全体的に9割以上の人がハザードマップが安全な避難において重要と感じていると答えるいっぽうで、「見たことがない」「確認の方法がわからない」と回答した人も多く、いかに身近に周知徹底していけるかが、今後の課題に。
「8月28日から不動産取引で始まった「水害リスク」説明義務化で、今後ハザードマップの理解促進がすすむだろう」(応用地質)
同調査は、応用地質の自社サービス向上、社会貢献の一環として実施。「今後も、インフラや自然環境、災害などに関する独自調査を行なっていく」という。