「野球選手って稼ぐことはできるんですけど、どう運用していくかとか、どう貯蓄しどう使っていくかとかって、球界のなかではまったく触れないんですよね」
巨額の金が動くプロ野球の世界でも、資産運用や投資について情報交換する場もなければ、話に触れる機会もない。ってことは、一般市民はもっと、資産運用なんて遠い存在なんじゃないか―――。
画像はじぶん銀行 臼井朋貴 社長ともと千葉ロッテマリーンズ 里崎智也のトーク現場。冒頭のことばは里崎の告白。里崎と臼井社長に共通するテーマは、いま誰もが気になる今後の自分、セカンドキャリアについて。そこで臼井社長が「誰にでも共通すること」として伝授するのが……。
早い段階でセカンドキャリアを考え、運用・投資を
◆里崎―――僕は現役時代、強く決めてたことは、「引退後に、仕事せず暮らせる額を貯蓄する」でした。それだけに重きを置いて貯蓄してきたんですよ。だから引退するまでに税理士の先生とかと話し合いながら、「このぐらいの額は貯蓄・資産形成しよう」っていう目標を決めて、結果それを達成できたので、いまはすごく安心感がありますね。引退後の人生プランを考えながら「これぐらいは欲しいよね」というところは、僕に関しては税理士さんと相談しながらやってきましたね。
◆臼井社長―――プロ野球の世界で若くして活躍してる人は、ずーっと野球をやっているので、あまり社会の制度を知らないままに大金を手にして、若いうちに使ってしまいますよね。かつ、選手寿命もそんなに長くないから、割と早めの段階でセカンドキャリアについて考えられた方がいいと思います。早くから意識して運用・投資を心がけるのがいいと思います。
人生プランのどこでどれだけ運用・投資するか?
◆里崎―――現役の選手は投資とか運用って、なにも知らない人が多いと思いますよ。運用といえば株とか、最近でいえば住宅とか債権とか保険とか色々ありますけど、なにも知らないなかでサイコロを振るようにギャンブルでいくのは、僕もちょっと難しい。野球選手ならではの、安全に、これぐらいやっておけばいいよという、未来にむけたお金の投資・運用について聞きたいですね。
◆臼井社長―――投資って、原則というかすべきことの基本は同じだと思うんです。基本、キーワードは「分散投資」だと思います。分散というと色々な概念があります。まず期間と分散比率。一般的に多いのは、「いまスグに使うお金」が2割ぐらい、「5年~10年くらいに使うお金」を4~5割、「10年以上先(老後)に使うお金」に2~3割ですかね。
◆里崎―――なるほど。
◆臼井社長―――プロ野球生活の場合、後ろ(人生の後半)は厚くしておいたほうがいいかなと。やっぱり高額年俸を得たら付き合いもすごく多くなるし、お金が出ていくでしょう。手前はできるだけ節約して、5割ぐらいを長期の20年ぐらいにもっていくとか。そうすると目先で使えるお金が少なくなるぶん、もっとプレーに集中できる。
野球選手のように運用・投資の時間がない人は?
◆里崎―――プロ野球選手時代は、1か月のうちで24時間まるまる休みになるのが月1回ほど。2回あったらいいほうですね。6連戦続くと2回ぐらいは移動日にあてられちゃうので、前の日からまるまる何もないのは月1回ですね。
◆臼井社長―――そうなると、金融知識があまりなくても、例えば株価指数やTOPIXに連動して動く「ETF」や「投資信託」が無難かなと思いました。これからぜひ経験してほしいのが、現金の代わりにポイントで運用するサービス。au WALLETアプリで「au WALLETポイント運用」というのがある。現金ではなくau WALLET ポイントを原資にして運用し、au の投資信託の基準価額に連動して日々ポイントが増減する。来年3月にはポイントで実際の株を買えるサービスができるので、ぜひ貯蓄だけでなく、投資の第一歩として活用してほしいですね。
◆里崎―――ポイントね。それは、じぶん銀行ならではですね。
◆臼井社長―――もうひとつは iDeCo。個人事業主のプロ野球選手は6万8000円まで積み立てできる。税額控除できるというメリットがあるうえ、この6万8000円のなかで商品を選んで運用できる。もちろん投資信託も選べるし、このなかでポートフォリオを組めるます。
株や不動産は慎重に、分散投資は……
◆里崎―――ぼくも見直しのタイミングかもしれないですね。でもまだ損はしてないんです! がまん強いんですよね。待ちますし慌てないところが、マイナスになってない理由かなと思っています。
◆臼井社長―――まずプロ野球選手は、契約金に手を付けちゃダメです。契約金は退職金の前払いのようなものなので、置いておかなきゃならない。ポートフォリオも重要です。分散投資が偏ると大変ですし。あと株も不動産も、やっぱりにわか知識では難しい。とにかく慎重に。やるんだったら、長いお金は投資に回すなどして分散させる意識が大事です。
―――じぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立したインターネット銀行。原則24時間365日いつでも取引きできるのが特長で、ネット銀行ならではの金利での定期預金、外貨預金、住宅ローン、カードローンなどをラインナップ。
2019年11月13日現在、au PAY、au WALLET クレジットカード、au WALLET プリペイドカード、じぶん銀行スマホデビット、他社提供スマホ決済アプリ、他社提供クレジットカードと、7つのアプリ・サービスとキャッシュレス連携。さらに連携先アプリ・サービスを拡大し、キャッシュレス決済を推進していくという。
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tokyochips編集部