日本のデジタル化は、いまどこを走り、どこへ向かっているか―――。

そんな問いに辛辣に、ときにユーモラスに語り合うトークイベントが行われた。

題して「2021年デジタルの日ONLINE EVENT─デジタル庁創設記念─」。YouTube と Twitter でライブ配信し、視聴回数は250万回を超えた。

同イベントは冒頭、牧島かれんデジタル大臣が「毎年この日がやってくることで、サイクルを回す、新たな体験をする。そんな日にしていきたい」という言葉からスタートし、次のようなプログラムが続いた。

◆日本のデジタル度2021 / 夏野剛 落合陽一 西村博之

◆声を届ける ~デジタル庁アイデアボックス~ / 牧島デジタル大臣 夏野剛 落合陽一 西村博之

◆デジタルx音楽の未来~ スペシャルトーク / きゃりーぱみゅぱみゅ KASICO

◆デジタル社会推進賞 2021 / 牧島デジタル大臣 村井純 石倉デジタル監

◆eスポーツの今 / プロeスポーツ選手 てす アスリン eスポーツキャスター岸大河 eスポーツアンバサダー レバ

◆みんなのデジタル化チャレンジ / 若宮正子 藤本真樹CTO(デジタル庁) 水島壮太CPO(デジタル庁)

◆学ぼう!デジタルセーフティ / マヂカルラブリー野田・村上 杉浦隆幸(日本ハッカー協会)

◆デジタル庁の内側 / 石倉デジタル監

◆デジタルの日のこれから / 村井純 落合陽一 石倉デジタル監

―――ということで、このプログラムのなかから、注目のコメントや話題をピックアップしてみよう。

「日本のデジタル度2021」夏野剛 落合陽一 西村博之

夏野剛 落合陽一 西村博之が「日本のデジタル度2021」を斬るコーナーでは、慣れ親しんでる媒体(メディア)についてのトークが印象的。

国内は全体的にテレビの割合が高いいっぽうで、新聞や本・雑誌などの紙媒体を毎日見ている人は少ない。また20代はSNS中心で、50代はニュースサイト/ニュースアプリをよく利用しているといった結果をうけ、3人はこうコメントした。

「これだけテレビ一強の国も珍しいですね。本当に日本ならではの特性ですね」(落合陽一)

「確かに自分たちが20代の頃は、政治やニュースに関心はなかった。身の回りの友だちの動きを知るほうが、興味があったかも。だから、ニュースよりSNS、というのは自然なことかな、と」(夏野剛)

「いま、テレビかネットかは若い人には関係なくて、テレビの情報もネットに上がっているなかで、ネット上で見られるものについては、若い人にとってはいっしょではないか」(西村博之)

また、行政手続のデジタル化といった話題では、警察署で車庫証明をとる手続時間が90分以上もかかっている現実について、「90分待たされるとなると、会社は半休を取る必要がある。かなりの損失。こうしてちゃんと可視化するのは大事」(西村博之)といった声もあった。

声を届ける ~デジタル庁アイデアボックス~ / 牧島かれんデジタル大臣 夏野剛 落合陽一 西村博之

また、牧島デジタル大臣 夏野剛 落合陽一 西村博之による「声を届ける ~デジタル庁アイデアボックス~」では、デジタル社会のかたちやデジタル改革の進めかたについて、国民から意見やアイデアを幅広く募集し、オープンに共有・議論する場「デジタル庁アイデアボックス」に取り組んでいることを紹介した。

今回は、「教育でデジタル化が進むならどんなことに期待するか」「情報アクセシビリティが低くて困っていることはなにか」「医療の分野でデジタル化が進むならどんなことに期待するか」「行政の分野でデジタル化が進むならどんなことに期待するか」といった4つのトピックについての投稿を紹介した。

たとえば、「マイナンバーカードの普及が進むなか、とくに医療については、病院・薬局・保険、とデータが分散しているのが問題」といった投稿に、牧島大臣はこう応えた。

「まさに先日も発表したところで、10月20日からカードと保険証の一体化を本格運用していく。まずはそこから。薬剤履歴や特定情報検診情報も連携するので、示したような方向性になっていくと思う」

―――3時間にもおよんだ、今回の「2021年デジタルの日ONLINE EVENT─デジタル庁創設記念─」。デジタル庁公式You Tubeチャンネルには、同イベントのアーカイブ映像が公開されているから、気になる人はじっくりチェックしてみて↓↓↓

2021年デジタルの日ONLINE EVENT ─デジタル庁創設記念─《アーカイブ映像》

<タイムスケジュール>

13:00 – 開演 / 牧島デジタル大臣
イベントオープニング映像。牧島デジタル大臣より開演のご挨拶。

13:08 – 日本のデジタル度2021 / 夏野剛 落合陽一 西村博之
日本のデジタル化がどれくらい進んでいるのかを調査した結果をもとに、日本の「デジタル度」を発表。個人のデジタルサービスの利用状況や、行政の手続に関してのデジタル化についてなど、登壇者の皆さんからコメントをいただきます。

13:38 – 声を届ける ~デジタル庁アイデアボックス~ / 牧島デジタル大臣 夏野剛 落合陽一 西村博之
デジタル庁では、デジタル社会のかたちやデジタル改革の進め方について、幅広い国民の皆様からご意見やアイデアを募集し、オープンに共有・議論する場「デジタル庁アイデアボックス」に取り組んでおり、現在「PoliPoli Gov(β版)」(https://polipoli-gov.com/) にて実証事業を行っています。そこで今回、国民の皆様からいくつかの分野で「デジタル化で待ち望んでいること」に関するご意見を募集し、多くの方から共感を得たご意見をオンラインイベントでご紹介します。投稿者とリモートでお電話を繋ぎ、登壇者の皆さんと直接対話いただきます。

13:53 – デジタルx音楽の未来~ スペシャルトーク / きゃりーぱみゅぱみゅ KASICO
YouTubeという“デジタルデビュー”をきっかけに広がり、今年10周年を迎えるきゃりーぱみゅぱみゅとART DIRECTORのKASICOが、デビュー当時の音楽におけるデジタル活用の思い出や、SNSで生まれた新たなファン、今後更に進化していくデジタルテクノロジーと音楽の未来についてトークします。

14:10 – デジタル社会推進賞 2021 / 牧島デジタル大臣 村井純 石倉デジタル監
デジタル庁が推進する社会全体のデジタル化、「人に優しいデジタル化」への関心を高めるべく、優れたデジタル化の取組をされている個人やチームを「デジタル社会推進賞」として取り上げ、表彰いたします。

14:27 – eスポーツの今 / プロeスポーツ選手 てす アスリン eスポーツキャスター岸大河 eスポーツアンバサダー レバ
デジタル社会の新たなスポーツとして、eスポーツの定着を推進する一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が、10月16日、17日に開催を控えた「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2021 MIE」についてご紹介するとともに、eスポーツ選手による競技タイトルのエキシビジョンマッチを実施し、eスポーツの魅力を分かりやすくお届けします。

14:59 – みんなのデジタル化チャレンジ / 若宮正子 藤本真樹CTO(デジタル庁) 水島壮太CPO(デジタル庁)
日本各地から集まった、自治体や中小企業におけるデジタル化チャレンジを当事者が語る「みんなのデジタル化チャレンジ」を動画でわかりやすくお伝えします。

15:19 – 学ぼう!デジタルセーフティ / マヂカルラブリー野田・村上 杉浦隆幸(日本ハッカー協会)
パスワードについてなどのアカウントセキュリティやサイバー攻撃から守るために必要なことなどを、ホワイトハッカーから登壇者にクイズ形式で回答いただく、学べるコンテンツです。デジタル社会において大切な心がけについてトークします。

15:36 – デジタル庁の内側 / 石倉デジタル監
普段なかなか目にする事のない、デジタル庁内で働く職員の活動を動画でご紹介します。

15:45 – デジタルの日のこれから / 村井純 落合陽一 石倉デジタル監
2022年以降のデジタルの日の日程や、デジタルの日のこれからについて登壇者が語ります。

◆「デジタルの日」について
デジタルの日は、デジタルに触れ、
使い方や楽しみ方を見つける日。
年に一度の、デジタルの記念日です。
実は、今年初めて創設されました。
テーマもあります。#デジタルを贈ろう です。
たとえば、祖父母にタブレット端末を贈る。
子どもと、プログラミング教室に行ってみる。
仕事なら、業務のデジタル化にチャレンジしてみる。

馴染みのないデジタルを知り、触れる機会を、
あなたの周りの大切な人と作りませんか。
もっと楽しいかも。より便利になるかも。

そんなみんなのアクションが、
日本の「人に優しいデジタル社会」を進めていく
きっかけになることを願っています。

◆「2021年デジタルの日」公式サイト
https://digital-days.digital.go.jp

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