産官学が連携した自動運転バスの実証実験が、中部国際空港島と常滑市りんくう地区で走り出す―――。
全国に先駆けて2016年度から自動運転の実証実験を積み重ね、5G・遠隔監視・路車間協調などを活用した自動走行の技術を磨き上げ、自動運転によるビジネスモデルの構築を推し進める、愛知県。
愛知県では2022年度、社会実装に向けた取り組み「自動運転社会実装モデル構築事業」をさらに深化させ、交通事業者などが実運行で再現可能なビジネスモデルの構築をめざし、3地域で実証実験中。
10月28日、10月31日~11月6日の計8日間は、イオンモール常滑と名鉄常滑駅の間などで、自動運転バスの実証実験が始まる。
今回、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズを幹事会社とする共同体体制に、そのメンバーであるアイサンテクノロジーとともに埼玉工業大学も参加。地元・埼玉県深谷市をはじめ、兵庫県など全国の実証実験を積み重ねてきた埼玉工業大学の自動運転バスが中部国際空港島とその周辺エリアで走り出す。
埼玉工業大学の自動運転バスに乗れる!
今回の「自動運転社会実装モデル構築事業」中部国際空港島とその周辺エリアでは、自動運転車両3台のうち、市街地ルートを走行する大型バス車両に埼玉工業大学が開発した自動運転バス(日野レインボーベース試乗定員13人)を投入。
このバスの自動運転システムの調整・管理をアイサンテクノロジーと埼玉工業大学が共同で担当する。
10月31日~11月6日は、一般参加者もこうした自動運転バスに乗車できる。事前予約は不要で、直接乗り場へ行けば乗れるから、気になる人は愛知県の公式情報をチェック↓↓↓
https://www.pref.aichi.jp/press-release/jidounten-tokoname-2022.html
自動運転ルートは往路4.0km、復路3.5km
今回の自動運転大型バスは、市街地ルートであるイオンモール常滑と名鉄常滑駅間を往復するルートを定時で運行。
往路4.0km、復路3.5kmのコースを走行し、往路・復路ともに「ボートレース北」に一時停車する。
複数同時監視、5Gで危険個所リスクを検出
今回の実証実験の特徴は、自動運転車両の複数同時監視と 5G や AI映像解析技術などを活用した危険個所リスクの検出など。
車載カメラには東海理化から提供される画像処理システムを活用することで、遠隔監視の複数の画像を統合し、車両周囲の死角が少なくなるような映像を伝送していく。
ヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズを幹事会社とする共同体の詳細は下記の通り。
◆エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社/株式会社NTTドコモ:事業統括、車両調達、遠隔管制システムの提供、人流データの提供、通信環境構築、5Gを活用したソリューションの提供
◆先進モビリティ株式会社:自動運転バス車両の提供、走行調律作業の実施
◆アイサンテクノロジー株式会社:3Dマップの作製、走行調律作業の実施
◆埼玉工業大学:自動運転バス車両の提供
◆株式会社ティアフォー:自動運転OS Autowareの運用支援
◆岡谷鋼機株式会社:社会実装に向けたアドバイス
◆損害保険ジャパン株式会社:自動運転リスクアセスメント
◆名鉄バス株式会社/知多乗合株式会社:遠隔管制者、車内保安員、交通事業者としての運行支援
◆愛知道路コンセッション株式会社:中部国際空港連絡道路において磁気マーカシステムを活用するための環境提供
◆シーキューブ株式会社:磁気マーカ敷設
◆愛知製鋼株式会社:磁気マーカシステム「GMPS」の提供
◆イオンモール常滑:遠隔管制室の設置場所提供等
◆株式会社東海理化:遠隔監視の映像を統合するシステムの提供
埼玉工業大学 自動運転特設サイト
http://saikocar.sit.ac.jp/