日本国民全員に対し、毎年の歯科健診を義務付ける制度「国民皆歯科健診」が国で検討されているって、知ってた?
あまり認知されていないこうした歯科検診義務化について、ライオンが「歯科医院で歯科健診を受けるメリット」について説明会を開き、ライオン歯科衛生研究所 政井美南海 研究員が教えてくれた。
学校などの歯科検診と、歯科医院での歯科検診の違い
歯科衛生士でもある政井美南海 研究員は、学校や職場などで行われる集団歯科検診と、歯科医院で個人が受ける歯科検診の違いについて説明。
学校や企業で一般に行われている歯科健診は、歯に異常が無いかを調べるためのスクリーニングの場で、目視判断で異常が無いか確認し、虫歯などがあれば歯科医院受診を勧めるという検診。
いっぽう、歯科医院に個人が受ける歯科健診は、検査で口内に異常があった場合は、確定診断をし、治療を進めていくだけではなく、「予防」も目的としている点が違う。
歯科医院で歯科健診を受けることで、「いまの状態を維持するための予防」と「疾患の重症化を予防できる」というメリットがある。
政井 研究員は、「検査だけでなく1人1人の口の状態に合わせて必要な対応(処置)を行ってくれる」ともいう。
歯科医院で個人が受ける歯科健診の一般的な流れ
歯科医院で個人が受ける歯科健診の一般的な流れは、専用の器具で歯周病の有無・進行度を検査し、目で見えない場所の検査にはレントゲン検査を実施。この段階でむし歯など口内に異常が見つかった場合は、医師が治療方針を説明し、異常が無ければ専用の機械でクリーニングされ、歯石除去を行う。最後にブラッシング指導を実施し、自身の歯の状態を理解する。
また、政井 研究員は、歯科医院の健診からできる2つの予防について説明。ひとつは、いまの状態を維持するための予防ができる。口の中のリスクが分かり、トラブルが起きる前に予防ができる点。
ふたつめは、経過観察できる疾患が分かり、適切な対応(処置)で重症化を予防できること。
たとえば、痛みもないのにレントゲンを撮る理由のひとつに「歯と歯の間や詰め物の下のむし歯、歯周病による骨への影響はひどくなってから気づくことが多い。痛みが出る前に見つければ治療せずに済むこともある」という。
また、歯科医師や歯科衛生士は、「治療ではなく予防で来院してほしい」「痛みがなくても来院してほしい」「かかりつけの歯科医院でありたい」「パーソナルトレーナーでありたい」という気持ちでいることも政井 研究員は伝えていた。
歯科健診を受けるステップはかんたん!
歯科健診を受けるステップはかんたん。
まず歯科医院を見つける。かかりつけの歯科医院がない場合、日本歯科医師会 公式サイト「全国の歯医者さん検索」ページ(https://www.jda.or.jp/search/)で、地域別や診療科目別、曜日別に検索して探してみる。
次に歯科医院を予約。電話などで「痛みはないけれど、歯や歯肉の状態をチェックしてほしい」という内容を伝えて予約しよう。
また政井 研究員は、「歯科健診に持っていくといいもの」として、いつも使用している歯ブラシと、飲んでいる薬、お薬手帳を挙げる。
歯ブラシは、口の状態に合っている歯ブラシか、強い力でみがいていないかが分かる。使っている人はデンタルフロスや歯間ブラシなどもいっしょに持っていくといいとも教えてくれた。
さらに飲んでいる薬、お薬手帳などは、歯科医院では全身疾患の管理も重要な役目。唾液量の変化など口のなかに副作用が出る薬もあるからという。
歯科医院での歯科健診は年1回を!
また、日本歯科医師会などは、口の中に異常や痛みがなくても「年に1回」のペースで歯科医院での歯科健診を推奨している。
「歯科健診に行くと、ひとり1人に合わせた受診ペースを教えてくれるから、まずは受診を」と政井 研究員はいう。
―――「検査で自分の口の中を知ることができる」「検査の結果に基づいた対応(処置)で予防ができる」という2つのメリットがある歯科医院で個人で受ける歯科検診。
そんな歯科検診メリットの詳細は、ライオンの生活情報サイト「Lidea」でも、紹介されているから、気になる人はチェックしてみて↓↓↓
https://lidea.today/articles/002128