「捨ててもいい服」が未来のファッション業界を変える―――。
そんな近未来を感じさせるファッションショーが、エコプロ2022(東京ビッグサイト 12月7~9日開催)ハイケム ブースで行われ、環境教育で訪れていた小中学生から繊維業界担当者まで多くの人の注目を集めた。
東京 虎ノ門に本社をおき、生分解性材料のトータルソリューションカンパニーとうたうハイケムの展示ブースで、来場者たちが注目していたのは↓↓↓
ハイケム次世代素材 HIGHLACT ハイラクト
これ、実はみんな、トウモロコシ由来の PLA(ポリ乳酸)から生まれた新素材「HIGHLACT」(ハイラクト)でできたアパレルたち。
https://highlact.com/
トウモロコシ由来だから、原料の製造過程で排出されるCO2はポリエステル比で1/7となり、素材を切り替えることでCO2削減効果が見込める。
年間約200万トンCO2削減も夢じゃない
仮に日本中のポリエステル製の洋服をハイラクトに置き換えられたとすると、原料製造時のCO2を年間約200万トン削減できるとか!
これは、日本人100万人が年間に排出するCO2量で、しかも PLA(ポリ乳酸)は原料の生育過程でCO2を吸収するため焼却しても大気中のCO2は差し引きゼロになるカーボンニュートラルな性質を持っているから、さらなるCO2削減効果が期待できるという。
繊維業界関係者も驚くその色合い
そんな大注目の新素材「HIGHLACT」(ハイラクト)でつくった衣装をまとってモデルが登場すると、来場者たちはその繊細な色合いに圧倒されっぱなし。
なぜ繊維業界関係者などのプロが、このファッションショーで驚きの表情をみせていたかというと、実はトウモロコシ由来の PLA(ポリ乳酸)は、発色が苦手という常識を、このハイラクトがひっくり返しちゃったから。
日本の伝統文化と融合し、常識を打破
PLA(ポリ乳酸)は、既存のプラスチックと比べると強度が低く、耐熱性も低いことから、これまで繊維には不向きの原料とされてきた。
そこをハイケムは、「化学のチカラ」と「日本の伝統文化」をハイブリッドし、日本の伝統的な織物技術や染色技術の融合させることで、この HIGHLACT(ハイラクト)を開発した。
ハイラクトは黒系のグラデーションも実現
たとえばこの黒。黒系の色は、従来のPLA(ポリ乳酸)では出せず、色彩、風合いも難しかった。
それが、この HIGHLACT(ハイラクト)で見事な黒系のグラデーションを実現させてしまっている。これにも繊維業界関係者は驚くばかり。
PLA 100%の服を積極的に選びたい
エコプロ2022 ハイケム ブースでは、こうしたファッションショーのほか、ハイケム サステナベーション本部 本部長 高裕一取締役も登場。「捨ててもいい服」への想いを語った。
「HIGHLACT(ハイラクト)は植物のでんぷんからできているから、強度が弱いといった弱点もあるなか、ファッション性が高く、ポリエステルでしか表現できなかった質感まで、このハイラクトで実現できるまでに達した。
今後は、マンガート ビームス(BEAMS)やビューティフルピープルをはじめ、みんながよく知ってるアパレルブランドにも、こ新素材HIGHLACT(ハイラクト)が採用されていくから、ぜひ、PLA 100%の服を積極的に選んでみて」
―――世界の繊維産業から排出されるCO2は全産業の8%を占め、ファッション業界のなかでも課題だった環境性。これまでの常識を覆すハイケムの新技術で、また新しいファッショントレンドが吹きそうな気配。