昔ながらの下町情緒を漂わせながらも、大型の商業施設やタワマンといった都会の風も吹く不思議なまち、足立区・北千住。
JR・私鉄・地下鉄が集う北千住駅東口から徒歩2分の好立地「ビックリヤ旭町ビル」の3Fに、きょう2023年9月14日、チムニーの新業態「両国だしもんじゃ もんじ」がオープンする。
日本人が愛してやまない「だし」に力を入れた。鰹節専門店「にんべん」の魚節を使用した魚介だし、本社のある両国で磨き上げた塩ちゃんこだし、そして異色の洋風だしの3種を揃え、濃厚×極ウマな「もんじゃ焼き」を提供する。
イチ押しは「デラックス海鮮ちゃんこもんじゃ」というから、まずはそれをいただくことにした。
もんじゃは手慣れた方なら自分で焼いても良いらしいが、基本は店員に焼いてもらうスタイルだ。敷居は低い。
「鉄板の上でキャベツを刻むことで、甘みを出していくんです」
シーフードはしっかり口の中で存在感を感じられるほど大きめに刻んでくれる。瞬く間に土手が出来上がる。
金属製の小さなヘラ(ハガシ)で端を掬い、まずは一口。美味い。味は濃いが、だしのうまみも強い。酒に合いそうだ。東京モンには「通は端から少しずつ焦がして食べるらしいですよ」とアドバイスを受けたが、ハガシが止まらない。海鮮の臭みもまるで感じなかった。トッピングされたいくらの食感もアクセントになっている。
洋風だしの「イカ墨チーズリゾットもんじゃ」には驚かされた。
口にした瞬間「イタリアンか?」と舌が驚く。アンチョビソースにガーリックオイルをあわせたそうで、だしの強さがもんじゃ焼きのイメージを塗り替えていた。
無難な楽しみ方をするなら、最初はオーソドックスな「魚介だし」がいいだろう。初めて入るラーメン屋で券売機の左上にあるしょうゆやとんこつを頼むようなものだ。そうして何度か通ううちに、ちょっと気になる「塩ちゃんこだし」や「洋風だし」に手を出してみる……。豊富なメニューはリピーター客を飽きさせない工夫でもある。
20代女性層や若年層をターゲットに
チムニーといえば「はなの舞」などの居酒屋業態で知られる。40~50代のビジネスパーソン、それも男性が主要顧客層という印象が強い。広々とした店内に団体客を詰め込めるから、会社の飲み会などで重宝する。
しかし50名、100名といった規模の団体客を詰め込む商売は難しくなった。若者の酒離れも進み、年齢層がそのまま上にスライドしていくような状況だ。
そこで、同社は若者に人気のあるもんじゃ焼きの投入を決めた。
「居酒屋」ではなく「お酒も飲めるもんじゃ焼きの店」とし、店内の雰囲気も明るくすることで20代の女性客や若年層の取り込みを図る。
同社の最大の強みは魚介の仕入れにある。さらにだしにこだわることで美味しいもんじゃ焼きができないか、他社との差別化ができないかと考えたという。「にんべん」の魚介だしはもちろんのこと、居酒屋業態でも主力商品として販売してきた「ちゃんこ鍋」のだし、そして若者に人気のパスタをイメージした洋風系のだしを揃え、だしに合うメニューを考案した。
足立区・北千住に出店したのは、活気あふれる下町で「ありがとう」や「美味しかった」といった声がたくさん聞こえるお店を創りたいから。浅草ほどではないにせよ、北千住だってもんじゃに一家言ある住人は多い。ここで認められれば箔が付く。いずれは新宿や渋谷などの大都市へ、そして全国へと打って出るか――
両国だしもんじゃ もんじ 北千住東口店
【住所】
〒120 0026 東京都足立区千住旭町41‐27 ビックリヤ旭町ビル3階
【アクセス】
東京メトロ千代田線 ・日比谷線
JR常磐線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス北千住駅東口 徒歩 2 分