「あーもうきてる。つらいわマジ。やだーーーー!!!」

つらいのは、目のかゆみや鼻水・鼻づまり・くしゃみ。

「ほんとマジで花粉症やだ」

3月下旬から、4月上旬にはヒノキ花粉がピークを迎えるうえに、今年の冬は暖かい日が多く、その影響で例年より早い時期から花粉が飛散しているため、すでに症状に苦しむ人も―――。

この花粉症への一般的な対策としては、マスクや服装の素材選び、薬の服用などで対処しているのが現実。

これら対処に加え、「体内の免疫環境を整えることも花粉症対策には欠かせません」という。

その最新報告では、「花粉症と免疫の関係性や、花粉症予防対策としてオススメしたい栄養素『亜鉛』『ビタミンB6』」(管理栄養士・健康検定協会 望月理恵子 理事⻑監修)が取り上げられている。

そこで、「亜鉛とビタミン B6 の組み合わせが◎ 免疫環境を整え体内から花粉をガード」というトピックスをここで詳しくチェックしていこう。

免疫環境を整え体内から花粉をガードするオススメ栄養素『亜鉛』

「亜鉛は、体内で作ることができない「必須微量ミネラル」で、体内に約 2~4g 存在し、⻭、骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く含まれます。

200種以上の酵素の構成や酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA 合成、タンパク質合成、免疫反応の調節などに作用し、身体の成⻑と維持に必要な栄養素です。

また、体内に入り込んだ異物、ウイルス、細菌などを駆除する「免疫細胞(自然免疫、獲得免疫)」が、正常に成⻑し、機能するようになるまでをサポートしてくれる、免疫調整に欠かせないミネラルです。

加えて、粘膜の健康を守るビタミン A の利用効果を高める働きも行っているので、花粉やウイルスの侵入を抑制して「間接的」にも免疫を助け、花粉症に効果的な栄養素として注目されています。

亜鉛の含有量が多い食材として挙げられるのが、牡蠣やからすみ、牛肉。高級食材や、なかなか手に入らない食材に含まれていることが多く、1 日の摂取推奨量は 18~74 歳まで男性は 11mg、女性の場合は 12 歳以上が 8mg といわれているなか、実際の摂取量は平均して 1日 7.9mgと少なく、日本は先進国で唯一亜鉛欠乏者が 10〜30%もいることが報告されています。

亜鉛の吸収を高める栄養素として動物性タンパク質、クエン酸、ビタミン C が挙げられます。そのため肉、魚、卵、牛乳、柑橘類などの食べ物といっしょに、またはサプリなどで亜鉛を摂取すると効果的です」

免疫環境を整え体内から花粉をガードするオススメ栄養素『ビタミン B6 』

「ビタミン B6 は水溶性ビタミンのひとつで、タンパク質のもととなるアミノ酸の代謝に重要な栄養素。

食事で摂ったタンパク質は、体内で一度、アミノ酸に分解されてから、人の身体に必要なタンパク質に再合成されて細胞や皮膚、髪、骨、筋肉などの材料になります。

ビタミン B6 はアミノ酸の分解と再合成の両方の過程において、補酵素に生合成されたあと、働きます。

そのため十分に摂取することで、丈夫で健康な皮膚、粘膜、髪、⻭、爪などの生育につながります。

さらにビタミン B6 は、亜鉛とともに免疫機能をサポートする働きがあることでも知られています。

亜鉛は酵素の材料となったり、免疫のサポートなど、生きていく上で欠かせないミネラルですが、ビタミンB6 がないとそれらの機能が正常に働かないため、亜鉛にとって重要な栄養素といえます。

ビタミン B6 の含有量が多い食材として挙げられるのが、かつお、まぐろなどの魚類、レバー、肉など動物性食品です。

また、果実ではバナナ 1本(90g)に 0.34mg と比較的多く含まれ、たんぱく質を多く摂取しているアスリートには、間食のバナナはよいエネルギー源になるほか、ビタミン B6 補給という意味でもおすすめです。

また、ビタミン B6 は米にも多く含まれるため、米を主食とする日本人はビタミン B6 を補給しやすい状況にあるといえますが、豆類や玄米などの穀物に多く含まれる『フィチン酸』が免疫の働きを助ける亜鉛の吸収を阻害するため、花粉症対策として、亜鉛を含む食品と食べ合わせることはオススメできません」

亜鉛とビタミン B6 の組み合わせが◎ 免疫環境を整え体内から花粉をガード

「穀物が亜鉛の吸収を抑える働きがあるように、栄養効果を阻害する食材の組み合わせがあるいっぽう、組み合わせ次第で食材が持つ栄養効果を最大限に引き出すことも可能です。

そこで今回は、花粉症対策として『亜鉛』『ビタミン B6』と相性の良い栄養素と簡単な組み合わせメニューを考案しました。

◆ヨーグルト(乳酸菌)

「ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、花粉症の原因となっている IgE 抗体の過剰生産を抑える働きをしているため、花粉症予防や改善に繋がる可能性があると考えられます。

また、腸は最大の免疫器官であり、腸内細菌の中には消化管の粘膜免疫を高めるものもあるので、腸を健康にしておくことで免疫機能が整い、アレルギー症状の緩和効果を期待できます。

おすすめの食べ合わせはビタミンB6 を含むバナナ。

ビタミン B6 の免疫効果に加え、バナナには食物繊維や難消化性デンプンも含まれているため、乳酸菌を含むヨーグルトを同時に摂ることで、亜鉛とビタミン B6に加え、乳酸菌と食物繊維のさらなる相乗効果を期待できます。

また、ココアにも亜鉛が豊富に含まれているので、簡単にできるアレンジレシピとして『バナナヨーグルトココアパウダーがけ』など
を朝食に取り入れるのもおすすめです」

◆ニンニク(アリシン)

「水分を 40%以上含む食材のなかで最もビタミン B6 を多く含んでいる食材がニンニクです。

また、ニンニクにはアリシンという成分が含まれ、免疫細胞である NK 細胞を活性化し、アレルギー性の過剰な免疫反応や、IgE 抗体の過剰生産を抑制する働きがあるため、花粉症の症状の緩和が期待できます。

アリシンは、細胞を壊すことによって発生するため、きざむ・潰すなどして食べると効果的です。

また、油で調理するとアリシンの成分そのものが壊れにくくなるといわれているので、亜鉛を含んだ牡蠣と組み合わせた、オイスターのガーリック炒めがオススメです」

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