LINEやInstagramとはまた違った、ある意味では「日本らしい」とも言えるニッチなテキスト通話アプリ『Jiffcy(ジフシー)』が注目を集めている。東京都新宿区に本社を置くスタートアップ企業、株式会社穴熊が提供している。
「コミュニケーションの可能性を解放する」をミッションに掲げるこのアプリは、電話のように相手を呼び出して、相手が応じると入力した文字が1文字ずつ変換前から表示されるリアルタイムトーク(特許取得済)が可能だ。「LINE」や「Discord」の「〇〇さんが入力中……」といった表示を思い浮かべて欲しい。あの「間」が、Jiffcyにはない。新感覚の「テキスト通話」で感情をリアルタイムに共有することができる。
2024年7月に招待制を終了。以来、150カ国で利用され、トーク回数は2,600万回を突破した。Z世代を中心とした若年層に浸透しており、直近では日経トレンディ「スタートアップ大賞2024」にて大賞を受賞した。
これまではiPhone版のみだったが、7月30日からAndroid版のリリースも始まった。iPhoneユーザーだけでなく、Androidユーザーも『Jiffcy』のテキスト通話体験が可能になり、両OS間でのコミュニケーションもシームレスに行えるようになるという。
従来とのアプリとは使い分けが可能だ。たとえば通学中の電車、家に家族がいるとき、「声を出さずに」リアルタイムでテキスト通話ができるのが大きなメリットになる。コロナ禍で通話への視線が厳しい昨今、実際に口を開かずにリアルタイムコミュニケーションができるのはありがたい。ユーザーによっては「特に仲の良い友達と使う」「LINEはバイトなどの業務連絡や日程調整、Jiffcyは恋人だけ」など関係性や用途によって使い分けることもあるようだ。
記事:一橋正浩