キリンホールディングスのヘルスサイエンス研究所は11月4日、独自素材「L.ラクティス プラズマ(以下、プラズマ乳酸菌)」が発熱や倦怠感といった風邪のような症状を感じる日数を減少させ、ウイルスに対する感染予防効果を発揮する可能性が臨床試験で確認されたことを発表した。

発熱・だるさが減少

ここがポイント → 発熱・だるさが減少

プラズマ乳酸菌を摂取していたグループは、摂取していないグループに比べて「発熱」や「倦怠感」を感じる日が明らかに少ない結果に。

発熱や倦怠感といった自覚症状の抑制が期待できるため、家族みんなの健康管理に役立つ可能性も。

研究概要

今回の試験では、医療現場において大きな課題である「感染症リスクの高い医療従事者」を対象に、その効果を検証。

その結果、プラズマ乳酸菌の摂取によって、医療従事者における発熱や倦怠感の日数が減少するとともに、血液中の免疫細胞の培養上清がウイルスの増殖を抑制することを確認した。

これは、医療従事者のように常にウイルスに感染する可能性が高い環境にいる人にとって、日常生活に「免疫ケア」を取り入れることは大きな意義を持つ。

医学生101名、4週間の摂取で比較

具体的には、医学生101名を プラズマ乳酸菌摂取群52名とプラセボ群49名に分け、4週間の摂取を継続し、症状や血中の免疫応答を比較。

その結果、プラズマ乳酸菌を摂取した群では、プラセボ群に比べて発熱や倦怠感を感じた日数の割合が有意に少ないことが示された。

また、プラズマ乳酸菌摂取群の血液中の免疫細胞の培養上清がウイルスの増殖を抑制することが明らかになった。

図1 発熱日数の割合
図2 倦怠感を感じた日数の割合

ウイルスに対する感染予防効果を発揮する可能性

この結果から、プラズマ乳酸菌の摂取によって、発熱症状・倦怠感などの自覚症状の抑制と、抗ウイルス遺伝子を発現上昇させることにより、デングウイルス等のウイルスに対する感染予防効果を発揮する可能性が示唆された。

「東南アジアをはじめとする感染症リスクの高い地域での L.ラクティス プラズマの応用可能性を探り、グローバルな公衆衛生課題の解決、人々の安心と健康を支える取り組みを拡大していきます」(キリンHD)
https://www.imuse-p.jp/plasma/

図3 ウイルス量(デングウイルスのRNAコピー数)

感染症の重症度を軽減させる可能性

一般市販乳酸菌の製品と比べ、プラズマ乳酸菌は抗ウイルス免疫強化が優れ、感染症の重症度を軽減させる可能性を示唆した論文も発表されている。

「Lactococcus lactis Strain Plasma Uniquely Induces IFN-α Production via Plasmacytoid Dendritic Cell Activation: A Comparative Study of Postbiotic Products – PMC」
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12566558/

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