「今回、防衛できたことで、10連覇という結果を残すことができた」

里見香奈女流名人が、また偉業を成し遂げ、記録を更新した。

正月の箱根駅伝 5区・6区ランナーが駆け抜けた箱根小涌谷に、ひっそりとたたずむモダンミュージアム 岡田美術館。第45期 岡田美術館杯女流名人戦 五番勝負は、ここ岡田美術館内の開花亭からスタートする。

ことしは去年と同カード、里見香奈女流名人と伊藤沙恵女流二段が対局。

今回の戦いは、第1局「岡田美術館 開化亭」と、第2局「出雲文化伝承館 松籟亭」でまず里見香奈女流名人が連勝。第3局「関根名人記念館」で伊藤沙恵女流二段が粘り勝ちをみせ、第4局「将棋会館」で里見香奈女流名人が勝利し、10連覇を達成した。

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10年前よりも少しは成長できた

里見香奈女流名人は4月5日、明治記念館で開かれた祝賀会に登壇。女流棋士としての10年を振り返り、こう語った。

「一番最初にタイトルを獲得したのは高校生のとき。そのときは早くタイトルをとりたいという気持ちしかありませんでしたが、そのあと、たくさんの経験をさせていただき、学生から社会人になり、まわりの方々に支えられていることを感じ、感謝の気持ちをもつことができました」

「10年前よりも少しは成長できたのではないかと思います。先のことはわかりませんが、今を大事にして一生懸命がんばっていきたいと思います。関係者の皆様、ファンの皆様はじめ、すべての方々に感謝申し上げたいと思います」

来年の岡田美術館杯女流名人戦に挑む女流棋士も登壇

祝賀会には、来年の第46期岡田美術館杯女流名人戦へリーグ入りした女流棋士たちも登壇。

主催する報知新聞社の早川正会長は、里見香奈女流名人の11連覇を阻止しようする若手女流棋士たちをこう激励した。

「このなかの勝者が、来年1月から始まる五番勝負で、里見女流名人に挑戦します。みなさんの顔ぶれをみても、来期も期待できる熱のこもった対局になることは間違いないと確信しています。里見女流名人のさらなる飛躍と、ここに立つ女流棋士たちの益々の活躍を祈っています」

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