アメリカ・シリコンバレーで始動しているさまざまなスタートアップ企業たちのなかから、ベストな事業パートナーを探し出すには、どこを頼ればいいか―――。

そんな日本国内企業にある潜在的ニーズに応える“拠点”が米シリコンバレーに誕生した。

米シリコンバレーで設立された非営利独立研究開発機関・SRIインターナショナルは、野村ホールディングスと提携し、カリフォルニア州メンローパークのSRIメインキャンパス内に「野村SRIイノベーション・センター」(NSIC:Nomura-SRI Innovation Center)を設立した。

野村SRIイノベーション・センター(NSIC)は、シリコンバレーで立ち上がっているスタートアップ企業と、最適な事業パートナーを探している日本国内企業のつながりを加速させる最先端拠点。

このNSICに参画することで、最先端の研究開発ラボや大学研究所に加え、シリコンバレーのインキュベーターやスタートアップ企業とつながるチャンスが得られるほか、シリコンバレーのディスラプティブ(破壊的)な技術革新プロセスの共有も加速させられる。

野村SRIイノベーション・センター(NSIC)はまた、日本国内各企業(メンバー企業)のそれぞれにあった必要な新興技術を特定し、評価するためのベストプラクティスを習得できるように支援する。

これにより、メンバー企業による次世代イノベーションを加速し、その技術投資の価値の最適化を実現させる。

NSICプログラムの創設メンバー企業には、野村総合研究所、大林組、静岡銀行、ハーモニック・ドライブ・システムズ、村田製作所などが名を連ねる。

Chris Cowart(クリス・コワート)NSIC所長は、「NSICは、メンバー各社の新興技術分野における目標の達成に資するベストプラクティスやエクスクルーシブなパートナーシップなど、国内企業各社のニーズに合致した専門性を提供できるよう、各メンバー企業と緊密に協働したい」と伝えている。

最先端科学技術の獲得にむけ、日本企業の支援に注力

野村SRIイノベーション・センター(NSIC)のプログラムは、SRIが培ってきたイノベーションに関するナレッジや経験・実績、野村ホールディングスの戦略的ビジネス専門性を活かして設計された次の4つのコースで構成する。

◆ディープテック―――新興技術の探索、新規潮流の分析、市場投入成熟度の評価、ならびに新規ドローン・ロボットソリューションのアプリケーション、エンジニアリングデザイン手法、次世代AI解析、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)、フィンテックプラットフォームなどについてのディスカッション。

◆イノベーションプロセス―――革新的な事業プラクティス/ケーススタディ/ツールの獲得に注力した活動および最新の商業化戦略・グローバル市場機会についての経営陣が参画できるプログラム。

◆スタートアップ・コミュニティ―――メンバー企業がエコシステムの価値を最大化できるよう支援するための、エンジニアリング・製造・建設・金融業その他の分野で活躍する、選別されたスタートアップ企業や投資家を紹介するネットワーキングイベント。

◆シリコンバレー・イマージョン―――シリコンバレーが有する最高の資産を活用し、インスピレーション、マインドセット、ツール、並びに各メンバー企業がイノベーションにフォーカスした能力やプロセスを実践に移せるようオーダーメイドで設計されたキャップストーンプロジェクトを提供。

―――野村SRIイノベーション・センター(NSIC)は、こうした日本企業とシリコンバレー系スタートアップ企業などの交流促進に加え、ハンズオンのワークショップ、ゲストによるレクチャー、オーダーメイドのコンテンツ・体験を通じ、各種ビジネスでの創造的破壊をもたらす思考を体得できるよう、「世界中の企業環境を変える最先端科学技術の獲得にむけて日本企業の支援に注力していく」という。

◆野村SRIイノベーション・センター(NSIC)
https://www.sri.com/ja/nsic/

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