株式会社MTGは、アジア獣医皮膚科専門医の伊從慶太氏監修のもと、犬アトピー性皮膚炎治療の最新エビデンスとしてファインバブルを使った洗浄の有用性を確認。
これに伴い、本エビデンスの内容と犬の皮膚に対するスキンケアとしてのファインバブル活用の可能性を示す場として、日本経済新聞社イベント・企画ユニットと共済し、2024年3月7日に日経ビジネスイノベーションフォーラム「犬の皮膚にも“スキンケア発想”を」を開催した。
MTGがファインバブルと犬の皮膚を健康に保つための日経ビジネスイノベーションフォーラムを開催
日本発祥の技術である「ファインバブル」は、直径が100μm(=0.1mm)より小さな泡のことで、日本発祥の技術で出来た泡でナノサイズの気泡「ウルトラファインバブル」とマイクロサイズの気泡「マイクロバブル」、この2つの泡を総称した固有名詞だ。
これらは世界の産業界の標準化を司る国際標準化機構(ISO)と日本産業規格(JIS)で定義されており、単に小さいだけの泡ではなく、身近な生活の中で見られる泡(ミリバブル)とは異なった様々な特徴を持っているのだそう。
MTGが展開するビューティブランド「リファ(ReFa)」から発売中のシャワーヘッドシリーズは、このファインバブルを生み出す独自の設計で、全身を心地良く洗い流すことが出来る商品だ。
今回MTGは、日本経済新聞社イベント・企画ユニット主催のもと、日経ビジネスイノベーションフォーラム「犬の皮膚にも“スキンケア発想”を」を開催。
犬アトピー性皮膚炎治療の最新エビデンスをはじめとし、スキンケアという視点から犬の健康的な皮膚を保つため、ファインバブルが有用であることを示した実験データの公開などの最新知見を発表した。
獣医師・江角真梨子が語る「ペットスキンケア」の現状
都内で開催された本フォーラムには、日本獣医皮膚科学会認定医/日本コスメティック協会認定指導員の江角真梨子氏が登壇し、基調講演を行った。
動物病院で皮膚科診療を担当している江角氏は、これまでエビデンス(科学的根拠)などが乏しかったものの、犬用のスキンケア製剤が続々と登場するなど、近年になって躍進していると話す。
そこで江角氏は、今の犬のスキンケアの現状をはじめ、犬の健康維持におけるスキンケアの可能性などについて述べた。
「今までのスキンケアというのは、ただ犬を洗うだけ。つまりは付着した汚れを取るだけにとどまっていました。実は、日本の獣医領域においてもですね。皮膚科学会というのは1970年代に設立されているんですけれども、約40年の歴史がある中で、スキンケアについて題材された会議というのは、約8年前の2016年という風に言われています。」
と、近年になってようやく注目を集めるようになった分野だと説明した。
犬は赤ちゃんの肌と同じ位厚みが薄く、デリケートなもの。これまでの考えのようにゴシゴシ擦ったりと過度な刺激を与えることはよろしくないものだ。
さらに「5つの動物の自由」から、“不快からの自由”と“痛みや病気からの自由”という、動物への接し方から見る「福祉」の観点からのスキンケアも非常に大切になってくると江角氏は語っている。
犬と人の生活を豊かにするツールとなるためにも、エビデンスに基づいたスキンケアが大切なのだと、江角氏は最後に自身の意見を述べていた。
犬アトピー性皮膚炎治療に「ファインバブル」が有用な結果が
続いての基調講演には、アジア獣医皮膚科専門医/アジア獣医皮膚科学会会⻑の伊從慶太(いよりけいた)氏が登壇。
「犬のアトピー性皮膚炎は、人のものととても似ていると言われています。有病率や症状も類似しており、人のアトピーの研究モデルとしても注目されているんです。」
と語った。
この犬アトピー性皮膚炎を治療するガイドラインが2015年に策定され、低刺激のシャンプーなどを使用して衛生状態を向上させようとなっていたものが、10年弱程時間が経って「薬剤耐性菌の出現」「シャンプーの頻度を高めることへの疑問」など、様々な問題が浮上しているのだとか。
その中で伊從氏が出会ったのが「ファインバブル」だったのだという。
古くからマイクロバブルは犬の洗浄に使われてきたそうで、15分間マイクロバブルの入浴をすることで、およそ5分間のシャンプーに匹敵する程の洗浄力があるということが分かっている。
そこでファインバブルの発生するシャワー装置を使用し、犬の皮膚に対して使用することでアトピー性皮膚炎を含んだ皮膚疾患の犬20例で実験を実施。
その実験を行った家族へアンケートを取ったところ、使用感や洗浄効果が良いという意見のほかに、体臭が改善したと回答する方も。
調査後も継続使用を希望する家族の方は75%、獣医師が70%もいたことも発表した。
さらに、アトピーに対してファインバブルシャワーと低刺激シャンプー、それぞれで洗った場合の実験を実施。
この実験では、重症度スコアがファインバブルシャワーは優位に低下したものの、低刺激シャンプーでは優位な差が認められなかったそう。
伊從氏は、
「アトピーの重症度が低下したこと、そしてネガティブな影響がなかったことから、肌のバリア機能が低下した状態であるアトピー性皮膚炎に対しても、非常に有用性が高い洗浄ツールになるのではないか、という期待が持てました。」
と期待を寄せている。
専門家3名によるパネルディスカッションも実施
江角氏・伊從氏の基調講演後には、東京女子医科大学 名誉教授/日本コスメティック協会理事⻑の川島眞氏を交えた3名、人間・動物の皮膚のスペシャリストたちによるパネルディスカッションが開催された。
川島氏が本当に驚いたこととして、人間よりも早くまだ使われていない成分を使った抗体薬を使用していることを説明すると、
「人間ではまだ使われていない抗体薬を使用しているのは、私たち獣医皮膚科の誇りです。」
と江角氏は誇らしげに説明していた。
また、人間の皮膚科医と獣医の皮膚科医が考えるスキンケアが、それぞれ違うような気がすると川島氏は江角氏に質問。
江角氏は「毛があるというところがやはり課題になっている。犬種・年齢によっても毛質などは大きく違いますが、犬の洗浄を行うのが人である以上、まだまだ家庭でやるには壁があるのかなと思います。」
と、犬のスキンケアの知識や、肌疾患への理解をさらに深めなければいけないと述べていた。
ファインバブルで犬の洗浄時間が約3分の1に!
そして話題はファインバブルのシャワーヘッドについて移り、川島氏はシャワーの使用感の高さについて伊從氏に質問すると、
「犬をシャンプーするのはかなり大変です。しかし、ファインバブルのシャワーヘッドを使うと、すすぎと洗浄がそのまま出来てしまう。洗浄剤を洗い残していないかな、といった不安もなく短時間でシャワーが出来てしまうんです。犬のシャンプーをすると大体20〜30分くらいですが、ファインバブルシャワーの場合は10分程度と半分〜3分の1くらいの時間で出来ています。」
と回答。犬の飼い主にとってはとてもありがたい結果となっているようだ。
江角氏は、
「今までのお話の中でも、治療としてのファインバブルの有用性であったり、健康維持のために使用していくというのが重要だと分かりましたが、シャワーの時間がコミュニケーションの時間になったり、人にとっても犬にとってもファインバブルを通して豊かな時間になれるツールになるのではないか。」
とコメント。
伊從氏は、
「人の方で活用されている技術や製品がこの動物の医療の方にも下りてきて、それを一緒に検討することが出来たことは、試験の結果以上に大きな意味があるのではないでしょうか。動物と一緒に、人のスキンケアも含めて両方が使えるようなものを選ぶ、そんな時代になってきています。それを日本を中心に、アジア圏やアメリカ等に発信出来ていく未来があれば嬉しいと思います。」
と締めくくった。
ファインバブルを生み出す製品の最新シャワーヘッドが3月6日より発売中
今回のフォーラムで使用されたファインバブルが入ったシャワーヘッドを展開するMTGから、3月6日より「ReFa FINE BUBBLE U」が発売されている。
今回、実際に最新シリーズとなる同商品のシャワーヘッドを見せてもらった。
本シャワーヘッドには、浴びる部位や目的に合わせて4つのモードを搭載しており、それぞれ
●ミスト
●ポイントジェット
●ピュアストレート
●ストレート
の4種類となっている。
どのモードでもシャワーにはファインバブルが含まれており、汚れを落ちやすくなるだけでなく、肌に潤いを与えてくれたり、洗い過ぎによる肌のバリア機能のダメージも抑えることが出来る。
価格は3万円からとなっているので、愛犬や自身のスキンケアにファインバブルを使ってみたいという方は、ぜひチェックしてみて欲しい。
URL:https://www.refa.net/item/refa_fine_bubble_u/
●ReFa FINE BUBBLE U(リファファインバブル U)
・価格:
ホワイト、シルバー 30,000円(税込)
ブラック 33,000円(税込)
・商品スペック:
材質ABS、ASA、ポリアセタール、ステンレス、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム
・ホース接続ねじ:G1/2
・重量:約300g
・付属品:K(KVK用)アダプター、M(MYM用)アダプター、外装リング、ゴムパッキン(細)、オープナー、取扱説明書、クイックガイド、ギャランティーカード、保証書
・サイズ:約241×96×134mm
・品番:
RS-BH-02A(ホワイト)
RS-BH-03A(ブラック)
RS-BH-15A(シルバー)