「伝えるって、難しい。でも、伝えられるからこそ人間だ」

―――きょう、そんな話で取引先と大阪駅で別れた。

きょうも大阪出張。メディアの仕事じゃなくて、“いろいろ先のこと”をみんなで考える仕事。実はメディアよりもこの仕事のほうが圧倒的に多い。

きょうも6時間ぶっとおしで話を聞いて、みんなで悩んで、みんなで笑って、「ではまた!」で、夕暮れの東海道を疾走する新幹線にいる。

いったん東京に戻り、すぐにまた大阪へむかい、2泊して仕事する行きの話。

「あした大阪にきてくれ」「あさって広島に行けるか」という生業だから、「だんぜん東海道新幹線は自由席派」は、行きの新幹線 のぞみ 3号車に乗り、新横浜を過ぎて名古屋まで時間があるってことで、座席に荷物をおいてトイレに行った。

席に戻ると……ない! 荷物がないうえに、自分が座るはずだった席に、別の人がいる!

あれ?と思ってあたふたしてると、ガードマンが近づいてきて、「これお客さんのですか?」と荷物をさしだす。あった! よかった。

「3号車は指定席なので」

「えっ!? いつから?」「3月ダイヤ改正からです」

知らなかった。毎週のように乗ってるのに、3月ダイヤ改正で、従来1〜3号車の のぞみ自由席が、1・2号車に縮小してた。

指定席だったんだ!ここ。「すみません」。

その指定席を確保していた20代の男性は、「ここわたしの指定席です」といえず、ガードマンに伝えて自分の荷物を預けたという。わかる。その気持。

いまこの“どうなるかわからない時代”に、ていねいに伝えても、“想定外の逆ギレ”とかもあるし、伝える自信もないし、怖さもある。

中央線グリーン車もそう。3月ダイヤ改正まで無料で座れたグリーン車が、「グリーン券なしで乗ってるかも」な人と、グリーン券買って乗ってる人の、やりとりがネット記事になってたりする。

―――伝えるって、難しい。でも人間だからこそ、相手を思いながら伝えることに、力を尽くしたい。

きょうの会議でも、そう感じた。相手を思いながら、相手の思いを聞きながら、こちらもしっかり伝える。意外と難しいけど、そこをサボっちゃいけないと感じながら、新幹線は熱海を通過。

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